- 日本は雨が多いから革靴選びに迷う
- 雨でも気兼ねなく革靴を履きたい
- でも妥協はしたくない
日本は1年の1/3が雨。地域によっては半分近くが雨ってこともあります。
そんな中で皆さんは日々の革靴選びをどうしてますか?
革靴好きな方は雨用の靴を持っているかと思います。

私も雨でも履ける革靴を持っています
ですが、まだ持っていない方は何を選べば良いか悩んでいる方も多いはずです。
雨だから妥協して、安い靴を選ぶ方もいると思います。
この記事で紹介する雨でも履ける革靴は、雨でも妥協したくない方向けにもおすすめできるものをピックアップしました。
雨でも気分の上がる革靴を足元へ。
そんなテーマで今回は雨でも履けるおすすめ革靴を紹介していきます。
雨でも履ける革靴の条件
まずおすすめ革靴を紹介する前に雨でも履ける条件を見ていきましょう。



すぐにおすすめの革靴を見たい方は目次から飛んでください
雨でも履ける条件として考えなければいけないのは…
- 素材
- ソール
- 製法
この3つです。
それぞれ見ていきましょう。
素材
革靴なのでもちろん使われているメイン素材は…
革です。
一応雨用の革靴ともなると、革以外にも機能性素材が使われることがあります。
ゴアテックスを使う場合、ゴアテックスフィルムを革と革の間に挟み込むことで防水性を高めています。今回はこのゴアテックスを使った革靴は除外しています。
なので、ここではどんな革が雨でも良いのか見ていきます。
雨でも使える革は…
牛革です。
革靴といえば牛革なので当たり前といえば当たり前の回答。革靴の中には牛革以外を使っている場合もあるので、ここではあえて牛革と銘打っています。
しかしながら、一概に牛革といっても種類があります。
牛革の中で雨に強いと言われているものは…
- ガラスレザー
- オイルドレザー
- シボ革
- ヌバック
- スエード
これらです。
簡単に特徴を見ていきましょう。
- ガラスレザー
-
革表面が樹脂コーティングされたもの。
光沢感があり、雨を弾き通さなくなります。比較的安価な革靴にも採用されているため、雨用の靴として手にする方も多い素材。しかし、樹脂によって革のひび割れが起きやすくなり、革の寿命は短くなります。
ブランドによっては独自のコーティング技術で、ひび割れが起きにくくなり、10年以上履けるものもあります。
- オイルドレザー
-
その名の通り、オイルが染み込んだ革のこと。
代表的なのはホーウィン社のクロムエクセルレザーやパラブーツのリスレザー。オイルによって水を弾きやすく、通しにくくなります。雨染みもしにくいので雨でも使える素材です。
ブーツに多く使われる素材。ビシネス用途のフォーマルな靴にはあまり採用されていません。
- シボ革
-
表面に凹凸のある革。
型押しによって凹凸をつけているものや薬品につけて革を収縮させることで凹凸をつけるものなどがあります。
比較的雨を弾きやすく、雨染みも目立ちにくくなります。ですが、ビジネスシューズなどフォーマルな革靴にはあまり使われない素材なので、基本的にはカジュアルな革靴に採用されています。
- ヌバック
-
革の表面を毛羽立たせたもの。
オイルを含ませたオイルドヌバックがあり、登山靴に採用されていることが多い革。毛足が短い毛羽立ちのため、光沢感はなくマットな質感。しかし、毛を寝かせるようなお手入れをしていくと光沢感が出てくるため経年変化が面白い素材。
- スエード
-
革の裏面を毛羽立たせたもの。
ヌバックに比べると毛足が長いため温かみのある素材感。比較的お手入れの簡単な素材で、撥水スプレーをすることで雨でも履ける素材となります。
この他に一般的に使われるのがスムースレザー。
また、雨に強い革だからといって、雨に濡れた状態でほっとくのはNG。雨の日に履いた場合は、お手入れも欠かさずにしましょう。濡れている部分は布で拭き取り、しっかりと乾かしましょう。
乾かした後は革の状態を見て、クリームなどを入れてお手入れすると良いです。
革靴のお手入れについて知る
ソール
革靴のソールは大きく分けると2つ
- レザーソール
- ラバーソール
これ以外にも色々な名前のついたソールがありますがここでは2つにしています。
雨で履けるソールは…
もちろんラバーソールです。


ということで、雨でも履ける革靴を選ぶならソールは…
ラバーソールです。
ラバーソールも色々と種類がありますが、長くなるので割愛します。
また、レザーソールを選んだ場合でもソールにラバーを貼ることで水が浸透しなくなります。
手持ちの革靴を雨でも履きたい場合はラバーソールを貼るといいです。
製法
そしてグッドイヤー製法の中には、雨に強い仕様というのがあります。
それがストームウェルト仕様です。
また、グッドイヤー製法よりも防水性の高い製法があります。
それがノルヴェージャン製法。
登山靴にも使われている製法。悪天候でも履かなくてはいけない登山靴に採用されている製法だけあって防水性の高い製法となっています。
今回紹介するモデルの中にはこれらの製法のものがあります。これらのワードが出てきた時は防水性のある製法なんだなと思ってください。
雨でも履けるおすすめ革靴ブランドとモデル
RAYMAR:レイマー
静岡県焼津市の革靴ブランド。
レインシリーズ
デザイン | 内羽根ストレートチップ |
素材 | 牛革(シボ革) |
アウトソール | Vibramソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 18,800円 |
こちらはビジネス使いしやすいデザインのストレートチップ。
レイマーのレインシリーズに属するモデルです。
レインシリーズは雨でも履けるように
- ソールがラバーソール
- 中敷がフルソック
となっています。
完全防水ではないのでその点はご注意ください。
そしてこのストレートチップの面白いところはシボ革になっているところ。遠目からはそこまで目立ちませんが、近づくと細かな凹凸が見えます。
ちなみにシボ革が苦手な方は、スムースレザーのタイプもあります。
デザイン | 内羽根パンチドキャップトゥ |
素材 | 牛革 |
アウトソール | Vibramソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 18,800円 |
こちらは穴飾りが施されたパンチドキャップトゥです。
ビジネスの場面でも問題なく使えるデザイン。フォーマル度も高いので一足持っておいて損はありません。
価格も18,800円とお手頃価格。しかもグッドイヤーウェルト製法。



コスパが良いです
雨用の靴としてあまりお金をかけたくない方におすすめです。それでいてグッドイヤーウェルト製法を使った本格革靴ですので、妥協した感じもありません。
履いていても満足いくモデルです。
コスパの良い革靴ブランドをもっと見る
SCOTCH GRAIN:スコッチグレイン
東京都墨田川の革靴ブランド。
シャインオアレインⅢ
デザイン | 内羽根セミブローグ / 内羽根ストレートチップ / 外羽根Uチップ |
素材 | 国産撥水カーフ |
アウトソール | SGソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 33,000円 |
シャインオアレインⅢは名前の通り、晴れでも雨でも履けるシリーズです。
写真はセミブローグのものですが、その他にストレートチップ、Uチップがあります。
どれもビジネス使いできるデザインです。フォーマルな場面で履くのであればストレートチップがおすすめ。
シャインオアレインの特徴は、撥水レザーとラバーソールが使われていること。
撥水レザーといってもカーフが使われているのがポイント。カーフは生後半年以内の仔牛の革できめ細やかな革です。牛革の中では高級素材。
雨でも履けるからといって、素材に妥協していないのが…



さすがスコッチグレインです
ちなみにシャインオアレインはⅢとⅣがあります。
大きく違うのはラスト。
- Ⅲはショートノーズでクラシカル
- Ⅳはロングノーズでスタイリッシュ
足型やスタイルに合わせて選んでください。
もし、オンオフ兼用で使いたいのであれば、ショートノーズのⅢの方が良いと思います。
ご参考までに。
ストレートチップのおすすめブランドをもっと見る
三陽山長
品質本意を掲げる日本の革靴ブランド。
防水友二郎
デザイン | 内羽根ストレートチップ |
素材 | PVC(塩化ビニル樹脂) |
アウトソール | 微発泡ラバー |
製法 | ー |
価格 | 19,000円 |
しかし、雨でも履けると言うキーワードから、今回は革靴として紹介させて頂きます。
ちなみに本家の友二郎は本革のグッドイヤーウェルト製法で7万円を超えます。
防水友二郎は素材と仕様変更により、防水性を高めています。
素材はPVC。いわゆる合皮です。
合皮は本革に比べると質感で劣るものの、お手入れ不要で履くことができます。なので雨で濡れても表面を拭いてあげるだけで十分です。
また、本革は履いていくと馴染んでいきますが、合皮は馴染みません。最初の状態が続いていくので、最初のフィッティングが大切です。
雨の日が多い梅雨時期や雨の日でも外を歩き回らなければいけない時に重宝する一足です。
見た目は本格革靴のデザインですので、見た目に妥協したくない方にもおすすめです。
WHEEL ROBE:ウィールローブ
浅草で作られる革靴ブランド。
#15077 パンチドキャップトゥダービー
デザイン | パンチドキャップトゥ |
素材 | クロムエクセルレザー |
アウトソール | シングルレザーソール+ハーフラバー |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 44,000円 |
ウィールローブは日本のブランドでありながら、どこかアメリカライクな雰囲気を持つモデルが多いです。
こちらはウィールローブで展開されるラストの中でDウィズのもの。そのため若干シャープな見た目になっています。
ですが、いわゆるドレスシューズのようなシャープさまではいかないため、黒を選べばオンオフ兼用で使うことができます。
個人的には写真のようなバーガンディをジーンズと合わせて履くのがかっこいいかなと思います。
ソールはシングルレザーソールですが、ハーフラバーが最初から貼ってあるため、水の染み込みも防げます。
さらに製法はグッドイヤーウェルト製法。
これでお値段は5万円以下の44,000円。
日本のブランドだからなせるコスパのいいモデルです。
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Paraboot :パラブーツ
フランスの人気ブランド。
Avignon
デザイン | Uチップ |
素材 | リスレザー |
アウトソール | グリフソール(ラバーソール) |
製法 | ノルヴェージャン製法 |
価格 | 71,500円 |
そのため、これらの仕様を持つモデルは総じて雨でも履けます。
そんな中でおすすめしたいのがアヴィニョン。



私の一押し
なぜアヴィニョンが良いのかというと…
- スマートなUチップ
- フィットしやすいラスト
- 防水性が高い
パラブーツのUチップというと有名なのがシャンボード。
シャンボードに比べるとアヴィニョンの方がスマートデザインです。
つま先の先端にステッチがあるスプリットトゥと呼ばれるデザイン。さらにU字のモカ縫いもシャープになっています。
そのためドレスよりなフォルムに近いです。
また、ラバーソールも厚みが抑えられているため、これもスマートさを際立たせています。
ラストもシャンボードとは異なります。万人受けしやすいラストでシャンボードよりもフィット感が良いです。ラストの特徴については下記の記事をご覧ください。
パラブーツのラストについてもっと知る
先程も仕様の部分で述べましたが、防水性が高いです。
私自身、雨の日に何度も履きましたが、雨で足が濡れたことはありません。
流石に深い水溜りに入ってしまうと履き口から水が侵入します。それ以外では濡れることはないです。



堅牢性も高いので、ガンガン履いていきたい方におすすめです。
パラブーツの防水性をもっと知る
アヴィニョンはリスレザーの他にも素材違いが展開されています。
雨でも履きたいのであれば、ヌバック、スエード、グレインレザーがおすすめです。
下記では他のおすすめモデルを紹介しています。
パラブーツのおすすめモデルをもっと見る
\ YouTubeで見る /
SOLOVAIR / ソロヴェアー
ドクターマーチンの靴をを製作していたことで有名なイギリスの靴ブランド。
4EYE PLAIN TOE SHOE
デザイン | 外羽根プレーントゥ |
素材 | ハイシャインレザー |
アウトソール | エアーソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法と |
価格 | 29,700円 |
モード感が漂う4アイレットのプレーントゥです。
アイレット(穴の数)が少ないほどドレス感があります。こちらは4アイレットと少なめでドレス感があります。それでいてフォルムとエアーソールなので、カジュアル要素もあります。
パッと見はドクターマーチンのようですが、マーチンによく使われるウェルトのイエローステッチがソロヴェアーにはありません。
また、エアーソールもブラックで仕上げられているため落ち着いた大人の雰囲気です。
ドクターマーチンだと大学生っぽく見えるけど、ボリューム感のある落ち着いた革靴が欲しい方におすすめです。
素材は水を弾き浸透しにくいハイシャイン加工がされたレザー。さらにソールはエアーソールなので水が染み込むことはありません。
雨に対しても強いため、天候を気にせず履くことができます。
これで3万円。
しかもイギリス製なのでコスパがいいと言えます。
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Sanders:サンダース
イギリスのロイヤルワラントも持つ名門ブランド。
ミリタリーダービー
デザイン | 外羽根ストレートチップ |
素材 | ポリッシュドレザー |
アウトソール | コマンドソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 50,600円 |
サンダースのミリタリーコレクションに属するモデル。
小ぶりのキャップトゥに3本ステッチが特徴的です。
まず、素材はポリッシュドレザー。いわゆるガラスレザーで水を弾き浸透しにくい素材です。お手入れ不要とまではいきませんが、あまりお手入れをしなくても大丈夫な素材です。
そしてソールは耐久性に優れたコマンドソール。通常の使い方で5年はもつと言われているソール。ソール交換なしで長く履くことができます。
ラバーソールですので水が染み込んでくる心配もありません。
ハードに使ってもへこたれたい耐久性があるので、オンオフ兼用で履き倒せるモデルです。
また、イギリスの伝統あるブランドでありながら、価格は割と抑えめ。ネットで探せば5万円前後で見つかります。
イギリスの本格革靴が欲しい方は是非。
サンダースのおすすめモデルをもっと見る
Church’s:チャーチ
イギリスの名門ブランド。
Shannon:シャノン
デザイン | 外羽根プレーントゥ |
素材 | ポリッシュドバインダーカーフ |
アウトソール | ダイナイトソール / ダブルレザーソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 103,400円 |
プレーントゥの名作とも言われるのがシャノン。
特徴的なのはチャーチ独自の素材であるポリッシュドバインダーカーフが使われていること。ガラスレザーの弱点でもあるひび割れが起きにくい素材。
その理由は上質なカーフに特殊な加工をしているため。柔軟性がある素材なのでひび割れが起きにくくなります。
そしてソールにはダイナイトソールで雨の浸透を防げます。レザーソールもあります。レザーソールは雨が染み込んでくるので雨の日にはおすすめできませんが、ラバーを貼れば水の浸透もある程度防げます。
革靴にはレザーソールとこだわりのある方はラバーを貼ってみてはいかがでしょうか。
シャノンの他にも雨に強いポリッシュドバインダーカーフを採用したモデルはいくつかあります。
どれも名作と呼ばれるものばかり。気になる方は下記の記事をご覧ください。
チャーチの名作モデルをもっと見る
JOSEPH CHEANEY:ジョセフ チーニー
チャーチとも関係が深いイギリスのブランド。
ケンゴン
デザイン | 外羽根イミテーションキャップトゥ |
素材 | グレインレザー |
アウトソール | コマンドソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 ヴェルトショーン仕様 |
価格 | 81,400円 |
前々からあるモデルですが、某YouTubeチャンネルで紹介されて以来、チーニーの中でも注目度の高いモデルがケンゴンです。
カントリーコレクションに属するモデルで、アウトドアライクな仕様となっています。
まずはデザイン。イミテーションキャップトゥというデザインです。
通常のキャップトゥはつま先にもう1枚の革を被せます。
そのため、イミテーションキャップトゥの方がスッキリとした見た目になります。
そして雨に強いということで注目したいのが…
- 素材
- 製法
- ソール
そして製法も特徴的。グッドイヤーウェルト製法のヴェルトショーン仕様です。通常のグッドイヤー製法を少し変えた仕様で、アッパーの革がウェルトの上まで来ているのが特徴です。
これによってアッパーとソールの隙間からの水の侵入を防ぐことができます。
さらにソールには登山靴にも使われるコマンドソールを採用。耐久性、グリップ力に優れたソールのため雨の日でも安心です。
あとこの心をくすぐるような武骨なモデル。カジュアルで主に履きたい方におすすめです。
ケンゴンについて詳しく知る
チーニーのおすすめモデルを見る
Tricker’s:トリッカーズ
イギリス最古の革靴ブランドと言われるのがトリッカーズ。
バートン
デザイン | 外羽根フルブローグ(ウイングチップ) |
素材 | カーフ |
アウトソール | ダブルレザーソール / ダイナイトソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 84,240円 |
ウイングチップといえばトリッカーズを思い浮かべる方も多いと思います。
トリッカーズのアイコン的なモデルがバートンです。
現在では装飾として残っているメダリオンなどの穴飾り。本来は水捌けを良くするための穴だったようです。
ちょっとしたうんちくを語れるのも所有欲を満たしてくれます。
肝心の雨に強いかというと、これまでの素材に比べるとそこまで雨に強いといった感じはありません。特に色の薄い茶系の革に関しては染みや色抜けをしたりします。
しかし、それをエイジングとして楽しめるのがトリッカーズ。
雨に強いというよりは、雨をエイジングさせるための手段にするといった感じです。
何を言っているかわからない方はスルーして頂いて結構です…
とは言っても、製法はグッドイヤーウェルト製法のストームウェルト仕様。ソールにはダイナイトソールを使っているモデルがあったりと雨に対して弱いといった印象はあまりありません。
この辺は、元々アウトドアで用いられていた名残りを感じさせます。
トリッカーズのおすすめモデルをもっと見る
まとめ
雨に履ける革靴はいかがだったでしょうか。
革靴が好きだけど、雨の日は革靴が汚れるから履きたくない方もいると思います。
そんな方に今回紹介した革靴は手に入れて欲しいです。
特に日本は1年の1/3が雨。
天候を気にせず履ける革靴は持っていて損はないはずです。
雨でも気分が下がらない。そんな革靴を履いていきましょう。
ということで今回はこの辺で。


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