オールデン選びの参考にラストの種類をまとめました。
これを読めば、各ラストの特徴がわかります。
さらに私の所有する7種のラストを目的別にランキングにしています。ラスト選びの参考にしてください。
まだAldenのことをよく知らない方は下記の記事でさくっと紹介しています。まずはこちらをご覧ください。
目次
なぜAldenのラストは注目されるのか?

Aldenはその中でも特徴的なラストと名称が使われているため、ラストも注目されています。
Aldenは矯正靴を作っていた背景から、履き心地の良い実用的なラストが多いです。また、幅が広いラストが多いため、日本人に合いやすいラストが多いのも、日本でAldenが人気の理由です。そのため、他ブランドにはない履き心地を求めてAldenを買う人も多いです。
モディファイドラストはまさに矯正靴から生まれたラストです。ハイアーチの方向けに開発されたラストです。土踏まずのアーチを支えることで、安定した歩行ができます。
現代では扁平足の方も多いため、その方たちには土踏まずのアーチを鍛える意味もあります。アーチがきちんとあると疲労軽減にもなります。革靴なのに疲れにくい。これが履き心地がいいと言われる所以でもあります。
Aldenにはどんな種類のラストがあるの?

Aldenのラストは目的や靴のデザインによって様々なラストがあります。現行で使われているのは12種類程度ですが、それ以外に昔のラストなども含めると20種類近くになるのではないでしょうか。今回は私が把握している15種類のラストを紹介します。

上の図を見ると、オールデンのラストは様々。幅広のものから細身のもまで網羅しています。自分に合うラストが見つかるはずです。
Trubalance:トゥルーバランスラスト

特徴
トゥがラウンドしており、全体的に幅広の設計。土踏まずの部分も比較的緩やかとなっています。
主にインディーブーツに採用されているラスト。BROGUE別注では短靴のキャップトゥに採用されています。
Modified:モディファイドラスト

特徴
オールデンを代表するラストの一つ。
土踏まずの部分が大きくえぐられるように絞られているのが特徴。そして、トゥとヒールには少しゆとりがあります。もともとハイアーチの方向けの矯正靴として生まれました。
土踏まずのフィット感がよく、歩行が安定するため疲れにくいラストです。
Vチップコードバンの54321に使われているのが有名で、他のデザインでも広く使われています。日本では別注品としてよく使われていますが、海外ではあまり見ないラストです。
Barrie:バリーラスト

特徴
オールデンの中で最も使われているラスト。
土踏まずの絞りは緩やかで、トゥにはゆとりがあります。ロングノーズ気味でエレガントな印象です。
少し大きめの作りなので本来のusサイズよりもハーフサイズ又はワンサイズダウンで選ぶと良いでしょうか。
バリーラストを使ったモデルとしてプレーントゥの990やロングウイングチップの975が有名です。
Van:バンラスト

特徴
ローファー専用として作られたラスト。主にコインローファーに使われています。
幅広で日本人の足型にもあいやすいく。日本展開のコインローファーは履き口も狭まっており、甲のフィット感も良くなっています。
Tremont:トレモントラスト

特徴
バリーラストに似ていますが、ヒールカップがバリーラストよりも小さめになっています。日本展開のモデルにはほとんど採用されていないので馴染みがないラスト。
BROUE別注では「正宗」と名付けられたブラックコードバンのウイングチップを展開しています。
Grant:グラントラスト

特徴
多くのラストは外側が曲線を描きますが、グラントラストは左右の曲線がほぼ同じ。正面から見ると左右のバランスが良くきれいに見えます。
日本ではラコタハウス別注としてコインローファー内羽根のキャップトゥが販売されています。海外ではブーツにも採用されています。
Leydon:レイドンラスト

特徴
土踏まずが適度に絞られ細身のシルエットとなっていますが、細すぎないのが特徴。ドレスとカジュアルのバランスが取れたラストです。主にドレスライクなチャッカブーツなどに採用されています。
BROGUE別注からはレイドンラストのコインローファーが展開されています。
Copley:カプリラスト

特徴
海外展開されているペニーローファーなどに採用されていることが多いラスト。コインローファーに多く採用されているバンラストに比べると細身で華奢な印象があります。
日本展開はほとんどありませんが、たまに別注されることがあります。
Plaza:プラザラスト

特徴
土踏まずが絞られ細身のフォルム。さらにスクエアトゥになっているのが特徴的。ノーズも長めでスタイリッシュなラストであるため、ドレスライクな印象です。
日本ではほとんど展開されていないラストですが、海外ではモデル展開が豊富です。キャップトゥやローファー、ブーツなどに採用されています。それぞれスクエアトゥになるので他ラストと比べるとデザインが特徴的になります。
Hampton:ハンプトンラスト

特徴
細身のラストでトゥは緩やかにラウンドしています。ノーズが短めでクラシックな印象があるのが特徴。
ドレスシューズの内羽根のキャップトゥに採用されることが多いです。そこまでスタイリッシュな感じはしないのでオンオフ兼用のドレスシューズとして履くことができます。
Aberdeen:アバディーンラスト

特徴
オールデンの中で最も細身のラスト。細身のシルエットでドレスな印象を持ちます。幅が狭くなっているのでバリーラストから比べるとハーフサイズアップした方がいいです。
アバディーンラストを使った主なモデルはタッセルローファーとNSTです。
Truflare:トゥルーフレア

特徴
現行モデルにはほぼ採用されていない古いラスト。
香港のTassels別注品の63088に採用されています。バリーラストに似たラストで、土踏まずが少し絞られているのが特徴。
379X:ミリタリーラスト

特徴
トゥがラウンドし、土踏まずが絞られたラスト。ヒールも小さめになっており、日本人にあいやすいラストです。
日本展開モデルに最初に採用されたため、日本では多くのモデルがあります。海外ではあまり展開されていませんが、徐々に増えてきた印象があります。
Kendall:ケンダルラスト

特徴
バリーラストのようにどっしりとしたたラスト。トゥがスクエアになっているのが特徴です。
別注品として展開されたことがありますが、現在はほぼ使われていません。
TruLine:トゥルーラインラスト

特徴
土踏まずが絞られ、トゥはスクエアになっています。現行モデルでは使われていないラスト。
個人的ラストランキング
ここでは私が所有する7種類のラストを目的別にランキングにしました。ランキングではトップ3を発表しています。
所有するラストは以下の通りです。
- バリーラスト
- モディファイドラスト
- ミリタリーラスト
- プラザラスト
- ハンプトンラスト
- レイドンラスト
- トゥルーフレアラスト
履き心地ランキング
- モディファイドラスト
- ミリタリーラスト
- トゥルーフレア
モディファイドラスト
アーチサポートによって、最初は土踏まずに違和感がありますが、履いていくうちに心地よくなります。
革靴はソールのクッション性がない分、歩行の安定性が疲労軽減につながります。その点ではモディファイドラストは優れています。片足立ちした時に、バランスが取りやすい感じがします。これによって、歩いた時にもブレが少なく安定した歩行ができます。矯正靴から作られたラストならではです。
ミリタリーラスト
モディファイドラストの次に土踏まずが絞られていると言われています。
ですがモディファイドラストに慣れてしまうと、アートサポートを感じにくくなります。トゥがラウンドしており、つま先が開放的です。そのため、長時間歩いていてもつま先が当たったりして痛くなることはありません。幅広の足型の人にはおすすめです。
トゥルーフレアラスト
このラストは珍しいラストです。現行モデルにはほぼ使われていません。
バリーラストとミリタリーラストをミックスしたようなラストです。少し、土踏まずが絞られており、幅もとられています。この辺はミリタリーラストに似ています。しかし、トゥの形状はラウンドではなく、バリーラストに近い感じになります。
私が最初に買ったAldenでもあり、1番履いているのでフィット感がいいです。あまり一般的ではないので、ランキングとしては3位にしました。
見た目ランキング(カジュアル)
- バリーラスト
- ミリタリーラスト
- トゥルーフレアラスト
バリーラスト
幅広ですが、ノーズが長めになっているので見た目としてはエレガントです。
ボリューム感があるので、カジュアルスタイルでもマッチしやすいです。デザインによってはオンオフ兼用で使える万能ラストです。
ミリタリーラスト
トゥがラウンドしており、ぽってりとした見た目です。
ビジネスシューズのような細くてシュッとした見た目とは対極にあるようなラストです。そのため、スーツスタイルよりもカジュアルスタイルで映えるラストです。ジーンズやミリタリーパンツなど幅広いカジュアルなパンツと合わせることができます。
トゥルーフレアラスト
バリーラストとミリタリーラストをミックスしたような感じですので、こちらもカジュアルスタイルにマッチします。
バリーラストよりも無骨な感じがあり、ミリタリーラストよりもシュッとした感じがあります。私が所有するのはVチップで、無骨な感じがいいです。ジーンズとの相性は抜群です。
見た目ランキング(ドレス)
- プラザラスト
- レイドンラスト
- ハンプトンラスト
プラザラスト
Aldenのラストの中でも細身のラストかつスクエアトゥになっています。
スクエアトゥはつま先が角ばっており、ビスポークシューズなどドレスシューズに用いられることが多いです。Aldenはどちらかといえばカジュアルシューズ、または、道具としの靴という印象が強いですが、その中でプラザラストはドレスシューズとして履くことができます。日本ではあまり見かけませんが、海外では意外と多くのモデルに採用されています。
レイドンラスト
幅の広さでいうと、レイドンラストは中間に位置するラストです。
そのため、ドレスとカジュアルのバランスがとれたラストと言えます。つま先に向かって細くなっていきますが、そこまで細すぎことはないので、オンオフで使いやすいラストです。
ハンプトンラスト
細身のラストですが、ノーズはそこまで長くありません。
イギリス靴のようなクラシカルなドレスシューズの見た目です。とんがったような細身のドレスシューズとは違います。スタイリッシュさはそこまでありませんが、クラシックな感じが好きな方にはハマるラストです。
初めてのAldenにおすすめランキング
- バリーラスト
- モディファイドラスト
- ミリタリーラスト
バリーラスト
Aldenで1番使われているラストのため、単純に手に入りやすいラストです。
履き心地もクセがなく、どんな方が履いてもフィット感は悪くないと思います。見た目もいいのでオンオフ兼用で使えて使い勝手抜群です。
モディファイドラスト
他のブランドではなかなか味わえない履き心地とAldenらしさがあるラストです。
Aldenのオリジナリティを感じるにはこのラストが1番です。履き心地が唯一無二です。デメリットとしてはこれを履いてしまうと他の靴が履けなくなってしまうことです。
ミリタリーラスト
革靴を道具として見たときに、1番道具のように履けるラストです。
スニーカー感覚で困ったらこれを履けばいいという感覚に近いです。私自身も、履く革靴を決めてない時は、玄関でミリタリーラストのAldenについつい手が伸びてしまいます。
ラスト選びの注意点

ラストは用途によって幅が広く作られていたり、細く作られていたり、捨て寸があったり、なかったりします。そのため、サイズは同じでも履いた時のサイズ感が異なります。
例えば、バリーラストは大きめのラストです。私はバリーラストをus7で履いています。これに対して、ハンプトンラストやプラザラストといった細身のラストはus7.5で履いています。ハーフサイズ違いますが、履いた感じは同じようなサイズ感です。
サイズ感に関しては別記事で紹介しています。そちらをご覧ください。
まとめ
Aldenのラストは様々な種類がありますが、それぞれ特徴があり面白いです。
靴というと、デザインや履き心地に目がいきがちです。そのデザインや履き心地を決めているのはラストの要因が大きいです。
これからはラストに注目して革靴を選びをすると革靴選びももっと面白くなると思います。
ということで今回はこの辺で
