グラントストーンが気になっているけど履き心地とかサイズ感がイマイチわからない。
そんな方に今回はグラントストーンのラストの特徴とサイズ感をレビューしていきます。
わかりやすいように私が所有する他ブランドの革靴と比較しながらグラントストーンの特徴を見ていきましょう。
グラントストーンをよく知らない方は下記の記事をご覧ください。
グラントストーンのレオラストとは?
グラントストーンではいくつかのラストを展開していますが、その中で定番のラストといえば…
Leo last (レオラスト)です。
まずはどんな特徴があるのかグラントストーンの説明を見てみましょう。
Grant Stoneが立ち上げる2年前より、Randyを中心にラストの開発が行われてきました。
彼らの豊富な経験に基づく、クラシックドレスシューズや整形外科的アプローチにより生み出されたラストは、Leo Last(レオラスト)と名付けられました。
Randyの目標は、快適さや整形外科的な見地からみた靴の要素を維持しながら、
アッパーに、伝統あるアイビー靴のシルエットを持たせる事でした。
ラストの開発には数か月にわたるテストと調整が必要です。
ヒールコントロールや理想的な外観を保ちつつ、前方部やスロート部、シャンクフィットのボリュームや比率を調整してラストの最適解を追求する作業を繰り返した結果、レオラストは完成しました。
Grant Stoneのレオラストは、以下の主要な足の形状に対して足の疲労を軽減し、適切なサポートと安定性を備えたフィット感を得られます。
・足の形が高い(ハイアーチ)
・開帳足
・扁平足
Grant Stoneの靴を購入する際には、「靴が伸びる」という長年にわたる”常識”は使用しないでください。
グッドイヤーウェルト製法で作られる頑丈な靴であり、多少のコルクの沈み込み(フットベッド)はありますが、きついフィッティングで馴染むまで我慢する必要はありません。
最初から「ジャストフィット」するサイズをお選びください。
※ゲットゴーイングより
つまり履き心地と見た目を考えたラストです。
どんなラストになっているのか実際に見ていきましょう。
レオラストの特徴
今回はグラントストーンの中で定番ラストであるレオラストの特徴を見ていきます。
レビューするのはこちらのディーゼルブーツです。
そしてラストの特徴を見る上で個人的に注目しているところが5つあります。
- 踵のフィット感
- ボールジョイントの幅&つま先の窮屈感
- 土踏まずのフィット感
- くるぶしの当たり
- 甲のフィット感
革靴を選ぶ際は以上のことを見ています。
ではレオラストはどうなのか?
まずは感覚的なレビューをしていきます。
※今回はブーツのためくるぶしの当たりと甲のフィット感は省略します。
レオラストの感覚的レビュー
ここでは私が履いて感じたレビューです。
踵のフィット感
踵のフィット感は…
踵の収まりが良いです。
ブーツってのもあると思いますが、踵が浮くといった感覚はありません。
踵が浮いてパカパカすると靴擦れの原因にもなりますが、レオラストでは踵が浮くことはありません。
踵が小さ目と言われる日本人の足にもフィットします。
ボールジョイントの幅&つま先の窮屈感
レオラストはボールジョイントの幅がゆとりをもった設計になっています。
ちなみにボールジョイントとは小指の付け根から親指の付け根までの幅が1番ある長さをいいます。
このレオラストのウィズはD。
私自身のウィズもDです。
足入れした感覚では小指が触れる感覚はありますが当たる感覚は少ないです。
つまり窮屈感が少ないということです。指を動かすゆとりがあるため、開放的なトゥ形状となってます。
ですが履き始めから数日は、長く歩くと小指が痛くなりました。小指の外側ではなく、内側の腹の痛みです。
おそらくインソールがまだ硬めで馴染んでいないための痛みだと思います。
これは新品の靴で私はよく起こる痛みです。
しかしながら、数日後からは痛みがなくなりました。
土踏まずのフィット感
レオラストの特徴にハイアーチや扁平足といった足の形状にいいとあります。
これだけを聞くとAldenに代表されるモディファイドラストを想像します。
しかし、実際はモディファイドラストほどのアーチサポートは感じません。
ですが適度にフィットしている感覚です。意識を土踏まずにもっていくと、アーチサポートを感じます。私自身が扁平足ではないのでそう感じているだけかもしれませんが…
モディファイドラストとの比較は後述します。
歩き心地
実際に履いて歩いてみると…
安定感があり、踏み込んで歩いていける感じがあります。
つまり歩きやすいです。
ラバーソールのため若干硬さがありますが、私は革靴に慣れているためこの硬さがある歩き心地の方が好きです。
たまにスニーカーを履くと、クッション性があって最初はいいのですが、だんだん不安定さからなのか疲れてきます。スニーカーから革靴に履き替えた方が歩きやすく感じます。
革靴に慣れている私からしてもレオラストは歩きやすいラストです。
【比較】レオラスト vs. Aldenのラスト
続いて他ブランドとレオラストの比較を行なっていきます。
まずはオールデンのラストとの比較です。
比較するのはオールデンの中でも定番ラストである…
- バリーラスト
- モディファイドラスト
- ミリタリーラスト
この3種類です。
グラントストーンはAldenに在籍していた方が作ったブランドであるため、比較的オールデンのラストに近いです。
オールデンをお持ちの方や試着している方は参考になりやすいと思います。
レオラスト vs. バリーラスト
おそらくレオラストはオールデンのラストの中でバリーラストに1番近いです。
上から見た感じだとほぼ同じフォルム、シルエットです。
レオラストの方が気持ち丸みがあり、バリーラストの方がシュッとした感じがあります。
履き心地はさほど変わりませんが、土踏まずのフィットを感じるのはレオラストの方です。
サイズは両ラストとも同じus7D。サイズ感もバリーラストと同じです。
バリーラストをお持ちの方はバリーラストと同サイズで大丈夫です。
レオラスト vs. モディファイドラスト
レオラストとモディファイドラストを比べると結構違いがあります。
まずトゥの形状が違います。
幅は両ラストともゆとりがありますが、トゥ先端に向かって細くなっているのはモディファイドラストです。
トゥがシャープに見えるのはモディファイドラストでボリュームがあるのがレオラストです。
履き心地は土踏まずのアーチサポートの具合が全然違います。
モディファイドラストの方が土踏まずがぐっと絞り込まれており、より土踏まずを押してくる感覚があります。
フィット感ではモディファイドラストがいいですが、人によっては違和感を感じる部分ではあります。
あまり土踏まずを押される感覚が好きではない方はレオラストの方が良いです。
レオラスト vs. ミリタリーラスト
レオラストとミリタリーラストもトゥの形状が異なります。
ミリタリーラストの方がトゥのラウンドが強く丸みがあります。
ミリタリーラストと比べるとレオラストの方がスタイリッシュに見えます。
履き心地の違いとしては土踏まず部のフィット感。
ミリタリーラストもアーチサポートがモディファイドラストの次にあるので、土踏まずを押される感覚があります。
この感覚はレオラストよりもあるか人によっては同等くらいの感覚です。個人的に履き比べた感じだと若干ミリタリーラストの方が土踏まずを押されている感覚があるかなといったところです。
レオラストとAldenのラストまとめ
レオラストとオールデンのラストをそれぞれ比較しました。
上の写真は横並びにしたものです。
左からレオラスト、バリーラスト、モディファイドラスト、ミリタリーラスト。
大きく違うのトゥの形状と土踏まずのアーチサポートです。
トゥの丸みが大きい順で言うと…
ミリタリーラスト>レオラスト>バリーラスト>モディファイドラスト
となります。
フォルムでいうとレオラストはカジュアルよりになります。ビジネススタイルで主に使いたい方には向いてないかもしれません。
アーチサポートの強い順で言うと…
モディファイドラスト>ミリタリーラスト≧レオラスト>バリーラスト
となります。
履き心地の面ではオールデンと同等の履き心地。どんな方が履いてもフィットする感じがあります。
レオラストはオールデンのラストのラインナップに含まれていても違和感がないほど、オールデンイズムを感じるラストです。
レオラストは革靴に履き心地・歩き心地を求める方におすすめのラストです。
【比較】レオラスト vs. チャーチのラスト
続いてはチャーチと比較していきます。
私の所有するチャーチは…
シャノン
シャノンはラスト103というラストが採用されています。
トゥにボリュームがあるのが特徴でチャーチのラストの中でもカジュアルよりなラストです。
では見ていきましょう。
レオラスト vs. ラスト103
まずは見た目の違いから。
ラスト103の方がトゥのラウンドが強くより丸みを帯びています。履いた時の幅に関してはどちらもゆとりのある感覚です。
土踏まずのフィット感はさほど変わりませんが、感覚的にはレオラストの方が良いです。
上の写真からはシャノンのラスト103の方が絞り込まれた感じですが、履いた時の印象は少し違いました。
踵と甲周りのフィット感もレオラストの方が良いです。これはブーツだからかもしれませんが…
チャーチのラスト103も悪くはないのですが、イギリス靴特有なのか踵が少し大きい感覚があります。
全体的なフィット感は結構似ているので、すでにシャノンをお持ちで履き心地が良いと思っている方は、レオラストでも履き心地がいいと思います。
【比較】レオラスト vs. トリッカーズのラスト
カントリーブーツといえばトリッカーズ。
ブーツ同士の比較をしたいところですが…
トリッカーズのブーツは所有していません。
ですが、トリッカーズのカントリーブーツと同じラストの短靴を所有しています。
今回はそちらのラスト4497Sと比較していきます。
レオラスト vs. 4497S
まずは外観の違いから。
レオラストの方がノーズが長くシャープさがあります。4497Sはレオラストを縮めたようなショートノーズな印象です。
幅は両方ともゆとりがあります。
感覚的な履き心地としてはフィット感がいいのはレオラスト。
4497Sは結構アバウトなフィット感。これはトリッカーズの特徴のような気がしますが、最初のフィット感よりも履きこんでフィット感をよくするのがトリッカーズです。
なので、1年以上履いたトリッカーズと比べると…
それでもフィット感がいいのはレオラストの方です。
やはりトリッカーズは硬さがあります。硬い履き心地が好きな方はトリッカーズの方がいいと思います。
レオラストも硬さは若干ありますが、弾力もある感じがします。なので歩行をサポートしてくれる感覚があります。
アウトソールからラストを見ると、だいぶ似ているラスト形状ですが、足入れすると土踏まずの部分がフィットするのはレオラストの方です。
4497Sは特に何も感じません。
全体的にフィットした感覚が好きな方はレオラスト。
ゆとりのあるフィッティングが好きな方は4497S。
といった感じがします。
レオラストのサイズ感
サイズ選びの参考にここでは他ブランドとサイズ比較をします。
下に先程比較したブランドのサイズ表を示します。
ブランド/ラスト | サイズ |
グラントストーン/レオラスト | us 7 |
オールデン/バリーラスト | us 7 |
オールデン/モディファイドラスト | us 7,5 |
オールデン/ミリタリーラスト | us 7.5 |
チャーチ/ラスト103 | 60 (uk 6) |
トリッカーズ/4497S | uk 6.5 |
グラントストーンとオールデンはアメリカブランドなのでusサイズ。
チャーチとトリッカーズはイギリスブランドなのでukサイズ。(チャーチは60と表記されていますがuk6と同等です)
個人的には各ブランドのサイズはジャストフィットです。キツくもなくゆるすぎることもないサイズ感です。特にオールデンのバリーラストとは大体同じサイズ感と思っていただいて大丈夫です。
まとめ
レオラストはいかがだったでしょうか。
何となくラストのイメージがわかったでしょうか?
元Aldenの方が始めたブランドだけあってか、ラストの特徴はオールデンに似通っていました。すでにオールデンをお持ちの方はすんなり受け入れらるラストだと思います。
またオールデンを持ってない方にとっても履き心地がいいラストですのでおすすめしたいです。特に革靴の履き心地に対して良くないイメージをお持ちの方に試して頂きたいです。おそらく革靴の履き心地のイメージが変わると思います。
私もオールデンに出会ってから革靴の履き心地に対するイメージがガラッと変わりました。今ではスニーカーよりも信頼しています。
今回はブーツということもあり、短靴と比べると若干フィット感の違いはあると思います。しかし、幅や踵、土踏まずのフィット感はブーツでも短靴でもさほど変わらないと思うので参考になると思います。
また今回のレビューでレオラストが気になった方はGET GOINGのオンラインストアよりサンプルを借りることができます。是非とも試してみてください。
ということで今回はこの辺で
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