- ヴィンテージのサービスシューズが見つからない
- サービスシューズの特徴って何?
- 現行品でサービスシューズはあるの?
サービスシューズは軍で使われていた革靴のこと。
また、ラストにも特徴があります。様々な人種のいる軍人に合わせるために、トゥにゆとりがあり土踏まずが少し絞られています。つまり、幅広の足型といわれる日本人にもあいやすいラストです。
そして、サービスシューズの中でも特に人気があるのが、アメリカ軍のサービスシューズ。年代によって少しディティールが違うものの、基本的にはプレーントゥでガラスレザーが使われています。
しかし、それらは数十年前に作られていたものです。現在では生産しているわけでもなく、手に入れるのが難しいです。しかも、年々デッドストック品は見つかりにくく枯渇状態です。今から手に入れるのは難しいです。
この記事ではヴィンテージのサービスシューズではなく、現行で販売られているサービスシューズを紹介します。
現行サービスシューズという言葉が正しいかわかりませんが、サービスシューズを基に、または、ミリタリーラストを使った現行モデルを紹介します。
下記の記事では新たに6ブランドを紹介しています。
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現行サービスシューズ7選
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サービスシューズとは
サービスシューズは軍の式典などで履かれていた革靴のことです。
国や年代によってディティールが少し違います
ここではサービスシューズの中でも人気のあるアメリカ軍のサービスシューズのディティールを少し紹介します。
基本的なデザインは…
外羽根式のプレーントゥです。
外羽根式とは靴紐を結ぶ部分(羽根)が後付けされたもの。
そしてプレーントゥはその名の通り、装飾がないデザインのことを表します。
アッパーの革はガラスレザーが使われていることが多いです。ガラスレザーは樹脂をコーティングしたもので、光沢感があり、雨に強いレザーです。
また、ディティールの違いとしては
- アイレットの数
- アウトソールの種類
- ヒールの形状
となっています。
年代によってディティールが違いますが、今回は深く言及しません。
サービスシューズの魅力
サービスシューズの魅力は…
- シンプルなデザインでいろんな服装に合わせやすい
- 冠婚葬祭やビジネス、カジュアルでも履ける
- ウンチクを語れる
- 履きやすい
といった魅力があります。
最初の2つは被る部分があります。
実際、軍の式典で履かれていたこともあり、現代の冠婚葬祭やビジネスシーンで履いても違和感はありません。むしろ正しい合わせ方だと思います。
さらに、ラストの特徴として少しトゥがぽってりしています。
ビジネスで履くような細身のスラットした革靴よりも、サービスシューズの方がボリューム感があるのでカジュアルな服装でも、ビジネスシューズっぽく見えません。ジーンズやチノパン、スラックスなどいろんなパンツに合わせることができます。
使い勝手が良いです
そして履き心地もいいです。
トゥにゆとりがあり、土踏まずが少し絞られていることから、どんな足型にもあいやすいです。
フィットした革靴というのは履き心地がよく歩きやすいです。
そして革靴というのはブランドによって様々なラストがあります。フィットするラストを見つけるのは意外と難しいです。そんな中で万人にあいやすいサービスシューズのミリタリーラストというのは、最初に選ぶのには最適だと思います。
サービスシューズの枯渇問題
アメリカ軍のサービスシューズは約60年間に造られました。
現在では生産していません
そのため、新しく造られることはなく、見つけることしかできません。それでも数に限りがあるため、年々デッドストック品となると見つかりにくくなります。しかも、見つかったとしてもサイズの問題があります。やはり日本人に合う、比較的小さいサイズというのは見つかりにくいです。
今後はさらに見つかりにくい状況になることは容易に想像できます。
じゃどうすればいいのか?
それは…
「現行のサービスシューズを探す」です。
ということで、現行のサービスシューズを見ていきましょう。
現行サービスシューズ
現行サービスシューズを選ぶ利点としては、ビンテージサービスシューズに比べ、マイサイズが見つかりやすいことがまず挙げられます。
どんなにいい靴でもサイズが合っていなければ履けません。マイサイズが見つけやすいのは現行サービスシューズの大きな利点です。
他にもデザインや素材、色を選ぶことができます。基本的にはプレーントゥのブラックをベースにしたモデルが多いですが、素材や色を変えたものもあります。また、ミリタリーラストを用いて、プレーントゥ以外のデザインにしているものもあります。
ミリタリーラストを気に入って、他のデザインのものも欲しい場合には現行のサービスシューズ(ミリタリーラストを使ったもの)の中から選ぶことができます。
しかし、現行サービスシューズにも悪い点があります。
それが…
価格です。
それに比べると現行のものはブランドが造っているモノですので、各ブランドが設定する価格となります。ビンテージサービスシューズの5倍〜10倍くらいするものもあります。
それでも、手に入れる価値はあると思います。
これから紹介するブランドとモデルを参考にして、自分にあった一足を見つけてください。
Alden:オールデン
53711
こちらはAldenの53711というモデル。
ホーウィン社のコードバンを使ったモデルが多いことでも有名ですが、こちらの53711はカーフ(牛革)を使ったモデルです。
ラストは379X。通称ミリタリーラストと呼ばれるラストです。
特徴的なのはトゥがラウンドしていること。
Aldenはトゥのラウンド感が特に際立っているように思います。
また、ヒールのデザインはドッグテイルとなっており、シンプルな見た目です。
アメリカ靴を代表するブランド。Aldenが好きな方には是非とも手にとって欲しいモデルです。
そして、Aldenではミリタリーラストを使ったモデルが他にもあります。
こちらのプレーントゥのデザインで、素材、色違いはもちろんのこと、ブーツやVチップ、ロングウイングチップなどもあります。ミリタリーラストの履き心地が好きな方やすでにプレーントゥをお持ちの方は他のデザインもおすすめです。
しかしながらAldenのネックとなる部分は…
価格です。
日本国内定価で
- カーフモデルが約10万円
- コードバンモデルが約14万円
となっています。
1万円以下で買えるサービスシューズから比べると10倍ほどの値段。
価格の面でいうと絶対に買った方がいいおすすめモデルといは言い難いですが、Alden好きの方には是非とも履いて欲しいモデルです。
ミリタリーラストについてもっと知る
Redwing:レッドウイング
MIL-1 BLUCHER OXFORD
レッドウイングのMIL-1 BLUCHER OXFORD。
通称「ミルワン」です。
すでに90年ほどの歴史があるんですね
このモデルは「MIL-1ラスト」という米軍でオフィサーシューズ用に使われていたラストをベースに造られたオックスフォードシューズです。
アッパーレザーにはへファーハイド(若い未出産の雌牛の皮)をレジン系でコーティングしたエスカイヤ・レザーが使われています。
雨にも強くなるため、天候を気にせず履けるのが魅力的です。光沢感が強く、あまりお手入れをしなくても艶感を楽しむことができます。そのため、お手入れがめんどくさいと感じている方にもおすすめです。
履きこむとこのような感じになります。
深い皺が入っています。大胆な皺が入るため、好みがわかれるかもしれません。個人的には無骨な感じがし、ジーンズやチノパンと合わせるとかっこいいと思います。スーツに合わせるにはちょっと…と思うところはあります。
さらにアウトソールにはラバーが貼られています。グリップ力が増すため、滑りやすい路面でも快適に歩くことができます。また雨にも強くなるため、雨の日に履いてもいいと思います。耐久性にも優れているため、ガンガン履いてもいいですね。
個人的にはこのサイドから見た時の羽根に施された3本ステッチが好きです。2本ステッチが主流だと思うので、細かいディティールですが個性が出ている部分です。
さらに、ヒールはTバックとなっています。T字に革が縫い付けられており、こちらも個性的です。
オリジナルのサービスシューズにも採用されているディティールです。
そして、値段は…
50,600円
先程のAldenに比べると半額ほどで買うことができます。長く履ける靴ですので、この価格の価値はあります。
ポストマンシューズもおすすめ
BLACK SIGN:ブラックサイン
Navy Last Dress Oxford Shoes
BLACK SIGNのプロダクツは、ビクトリアから第二次世界大戦前までのアメリカン・カルチャーやライフ・スタイル、そしてその時代の洋服のディテールがソースとなっています。
※BLACK SIGN HPより
ミリタリーのサービスシューズを基に造られたオックスフォードシューズです。
木型はオリジナルのネービーラスト。
見た感じで、小指が来る部分がゆとりがあり、そこからトゥに向かって細くなっっています。しかし細すぎず適度にラウンドしています。レッドウイングのミルワンに近そうなラストです。
品の良さそうなラストですね
そして、ヒールのデザインはTバックです。レッドウイングのミルワンと同じディティールです。
ソールは、5mm厚Armyソールを復刻させたセパレートソールです。耐久性が良さそうです。
ラバーソールですと雨の日にも履けるのでいいですね。
アッパーにはボックスカーフが使われています。
価格は…
74,800円
日本製の革靴としては結構な値段がします。木型をオリジナルにしたことや、革をガラスレザーではなくボックスカーフを使用しているところなどこだわりが感じられます。
この価格に見合ったクオリティが備わった一足だと思います。
BUZZ RICKSON’S:バズリクソンズ
BR02146
BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)とは、1993年に誕生したフライトジャケットの歴史と誇りを追求するブランド。その復刻作業は当時のMIL SPEC(軍用という過酷な環境に耐えうるよう定められた規格)に基づいたもので、糸の紡績から織り、生地の素材、各部の軍用パーツ、全体のフォルムに至るまで徹底的にこだわり、一着一着にクラフツマンシップを込め、ヴィンテージのフライトジャケットが持つ魅力を再現している。
※BUZZ RICKSON’S HPより
その中で、第2次世界大戦時に履かれていたサービスシューズを再現した革靴があります。
ウィズがEということもあり、ボリューム感のあるラストに仕上がっています。
アッパーレザーは上質なカーフ。
キメが細かい革で艶感を楽しむことができます。
またアウトソールは耐久性に優れたラバーが貼られています。雨の日でも安心して履ける仕様です。
また、U.S.Aと書かれているのもポイントですね。履いたら見えない部分ですが、こういうのが書かれているだけでも男性は嬉しいものです。
ヒールのデザインはドックテイル。シンプルなデザインです。
そして内側のライニングには…
オリジナルのサービスシューズと同じようなLot番号やサイズ表記が書かれています。
ここにブランド名が書かれているのも面白いですね
コバに茶色が混じっているので、スーツに合わせて履くのは職種によってはNGかもしれません。少しカジュアル感があります。個人的にはBUZZ RICKSON’Sが復刻しているアメリカ軍のチノパンなんかと合わせるといいと思います。
そして価格は…
49,500円
オリジナルのサービスシューズに近いディティールが盛り込まれているので、そういった方におすすめです。
バズリクソンズのチノパンを見る
BROTHER BRIDGE:ブラザーブリッジ
FURANTSU (フランツ)
このフランツというモデルは「最も美しいと言われている1940年代のUS.NAVYがモデル」です。
丸みが抑えられながらも適度にラウンドしたトゥはとても美しいです。
カラーはブラックとブラウン(スエード)の2種類。
さらにブラックに関しては素材がホースハイドとキップから選ぶことができます。
ホースハイドは馬革のこと
馬革といってもコードバンとは異なります。
牛革に近い質感でレザージャケットによく使われる素材です。
軽さ、耐久性、柔軟性に優れているのが特徴。ブラザーブリッジのホースハイドはポーランド産のものが使われています。茶芯仕上げで経年変化を楽しむことができます。使い込むと表面の色が剥げ茶色の芯が見えてきます。
キップは牛革のことで生後6ヶ月から2年以内の牛から取られた革のこと。ちなみにカーフは生後6ヶ月以内の仔牛の革。
ヒールはTバッグとなっています。オリジナルのサービスシューズにもあるディティール。シンプルなプレーントゥですのでデザインのアクセントにもなります。
ソールは全面ラバーソール。
滑りにくさと耐久性があります。ハードの使い方をしたい人におすすめです。
価格は…
49,500円
全体的に落ち着いたシンプルな印象を持つモデル。オンオフ兼用で使え、ソールもラバーなので天候を気にせず使えます。そう考えるとお買い得な価格かもしれません。
WHEEL ROBE:ウィールローブ
#15066 PLAIN TOE BLUCHER
「古き良きアメリカ」の普遍的なデザイン、伝統的なディテールにこだわりながら、素材、製法に妥協せず作っている日本のブランド。靴は2015年より浅草で作られています。
靴縁別注が話題になったブランドです
それでいて、フォルムはぽってりとしています。
デザインも少し特徴があり、他ブランドのサービスシューズとは羽根のつき方が違っています。
サイドから見ると、革の切り替えしがなく一枚革で羽根が作られたデザインです。すっきりとした見た目になります。それでいて鳩目がついているのでカジュアルな感じがあります。
上品さと重厚感があり、ジーンズスタイルにもマッチするモデルです。
ソールにはラバーが貼られており、天候を気にせず履くことができます
アッパーの革はクロムエクセルレザー。茶芯になっているため、経年変化を楽しむことができます。
価格は…
40,000円
日本製の革靴としては比較的お手頃な価格ではないでしょうか
日本の革靴ブランドをもっと見る
SKOOB:スクーブ
SMIL-001
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スクーブはラストの設計から素材の選定、パターン作成、メイキングまで開発・生産を一貫して東京の浅草にある自社工場で行っているブランド。
見た目の美しさだけでなく、フィッテングや耐久性、コスパも含め、全ての要素を考えベストな靴作りをしています。どちらかと言えば職人気質なブランドです。
展開されているモデルはブーツやカジュアル使いしやすい短靴がメインです。
ここで紹介するのはサービスシューズです。
見た目の美しさだけでなく、フィッテングや耐久性、コスパも含め、全ての要素を考えベストな靴作りをしています。どちらかと言えば職人気質なブランドです。
展開されているモデルはブーツやカジュアル使いしやすい短靴がメインです。
ここで紹介するのはサービスシューズです。
細かなシボ感で、無骨よりかは上品見えするようなシボです。
オリジナルのサービスシューズには見ない革なので特別感があります。
そしてトゥの形状は少しスクエア気味になっています。ラウンドしながらも角張った感じがあり、ボリュームのあるトゥ形状になっています。
なので、ジーンズといったカジュアルパンツとの相性も良さそうです。
オリジナルのサービスシューズとは一味違った感じもあるため、普通じゃつまらないと思う方におすすめのモデルです。
まとめ
現行サービスシューズはいかがだったでしょうか。
年々サービスシューズの数が減ってきているため、デッドストックのものを買うのは難しくなってきています。
なので、ヴィンテージではなく現行に目を向けて選ぶ必要があります。
そんな中で、今回はおすすめの現行サービスシューズを紹介しました。
ヴィンテージのオリジナルサービスシューズからすと、価格は高くなりますが、それでも各ブランドでこだわりを持って作っています。
新品から履けるため、自分で育てることも可能です。
履き心地もいいため、革靴を敬遠していた方にもおすすめです。
ぜひ現行のサービスシューズをご検討ください。
ということで今回はこの辺で。
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