今回はダナーの定番であるマウンテンライトを紹介します。
名前の通り登山靴がベースのブーツ。履きやすくタウンユースで使える一方、登山靴としても使うことができます。
なぜ使えるのか?
その理由も踏まえてマウンテンライトの詳細を見ていきましょう。
目次
マウンテンライトの基本情報

ブランド | Danner (ダナー) |
モデル | Mountain Light (マウンテンライト) |
素材 | ウォータープルーフフルグレインレザー |
マウンテンライトと言う名前だけあって、登山靴のようなデザインです。靴紐は最初についてくる黄色から黒色に変更しています。
アッパーはオールレザーです。ダナーライトですとレザーとナイロンのコンビになります。
※STUMPTOWNより
よりアウトドア感のあるのはマウンテンライト。
アーバンアウトドアにはダナーライト。
と言った感じがします。単純にデザインの好き嫌いで選ぶのもいいと思います。性能はそこまで差はありません。
1932年創業のアメリカのアウトドアブーツブランド【Danner】(ダナー)。
本社はオレゴン州ポートランド。
当初は、ワークブーツを生産する工場で、低価格のワークブーツを製造・販売。
第二次世界大戦中に、「造船所の靴」と呼ばれる樵用の作業靴メーカーとして有名になった。
1960年代には、ハイキングブーツを生産ラインに加え、「マウンテントレイル」というモデルを発表。当時、このモデルはバックパッカーの間で絶大な人気を博した。
1979年には、「ダナーライト」というモデルで、世界で初めてゴアテックスをブーツに採用する。今現在でもゴアテックスを使用する際は、必ずゴアテックス社にスタイル毎に送り、基準をクリアするための何段階ものテストを行った上で、テストに合格したスタイルのみゴアテックスのブーツとしている。
アメリカ陸軍・海軍・空軍や日本の一部自衛隊にもブーツが採用されている為、品質や機能性に関しての実績は十分。 現在に至っても、ワーク、ハンティング、ミリタリー、それぞれのカテゴリでトップブランドとしてのポジショニングを確立。
日本ではアウトドアシーンではもちろん、ブーツファッションのトップブランドとしての地位を確立している。
※ダナー公式サイト参照
時は1960年代、アメリカの国民の意識は健康に向けられていった。
人々はハイキングやバックパッキング、登山に出かけるようになる。
DANNERのMOUNTAIN TRAIL(マウンテントレイル)は専門誌“BACK PACKER MAGAZINE”に紹介され、
もっとも優れたトレッキングシューズとして、ベストセラーになっていく。
その系譜を継ぐモデルが、こちらオールレザーのMOUNTAIN LIGHT(マウンテンライト)。
1982年に登場。1979年発売のDanner Light 同様にGORE-TEXを採用し、
昔ながらのマウンテンブーツらしいデザインが多くのファンを産んだ。
5つのDリング(シューレースを通す金具)と2つのフック、水が侵入しにくいようにアッパーの
レザーはカカト部のバックステイ以外は1枚の革から構成されている。
これら完成されたデザインとの機能美が、日本でも多くのユーザーを産んだ事には何の不思議もないでしょう。
※ダナー公式サイト参照
マウンテンライトの外観
Front

どうですか?
登山に行きましょうと問いかけてくるようなデザイン。昔ながらの登山靴といった印象です。
靴紐を通す金具(Dリング)は銀色で無骨な印象を受けます。上二段はフックになっています。

Side


履き口の少し下辺りに皺が入っています。ここは柔らかいので歩行するときの動きを妨げにくいです。そして、履き口のところ(一段目のフック辺り)は厚みがあり少し硬いです。これが足首を守ってくれます。登山を想定すると、足首を守りつつ動きを妨げない感じがします。
ソールも厚みがあり、クッション性があります。歩行の際は、ソールが屈曲するので歩きやすいです。
革やハイカットの登山靴の場合ですとソールが硬くて歩きにくいと感じることがあります。ソールが硬いのにも意味はありますが…
その点、マウンテンライトは革のハイカットでありながら、平地や街歩きでも歩きやすいです。
Back

正面とサイドから見ると一枚革で構成されているように見えますが、後ろにもう一枚、革があります。
Outsole

ソールにはVIBRAM クレッターリフトソールを採用しています。ダナーライトにも採用されているソールです。
グリップ力があり柔らかく、様々な路面で快適に歩くことができます。
ビブラム(イタリア語: Vibram )は、イタリアのヴァレーゼ県アルビッツァーテに本拠地を置く靴底メーカー及びそのブランドである。1937年創業。

ビブラムソール
イタリアの登山家、ジュスト・ジェルバズッティ(英語版)の要望を受け、同じくイタリアの登山家であったエットーレ・カスティリオーニ(イタリア語版)とビターレ・ブラマニー(イタリア語版)により1935年にゴム製の靴底であるビブラムソールが考案された[2]。ジェルバズッティは1936年7月にリュシアン・ドビス(フランス語版)とともにゼクラン山群(エクラン山群; Massif des Écrins)のエールフロアド(英語版)西峰北西壁中央柱状岩稜初登攀に実用し、滑りにくさからその後急速に一般化、革製靴底と靴鋲を駆逐した。
第二次世界大戦により登山界の空白があった日本でも槇有恒を隊長とする登山隊の今西壽雄が1956年5月9日マナスルへ初登頂した際に本格的に使用してその優秀さを実感、これを契機にして日本の登山家の間でも広まり、プラスチック製登山靴の登場まで岩登りでも縦走登山でもビブラムソールを装着した革製登山靴が万能の登山靴として使用された。
※Wikipedia参照
VIBRAM® KLETTERLIFT

伝統的なビブラムのパターンコンビネーションにより優れたグリップ性を誇る。 土踏まずの内側と外側にラグが施されており、特に下りの時に滑りにくく、 しっかりとしたトラクションを確保。安全な歩行を可能にしている。
※ダナー公式サイト参照
Others

靴紐の下のベロはこんな感じになっています。
登山靴に見られるディティールで、水や小石などの侵入を防ぐ役割があります。埃が溜まりやすい場所でもあるので、メンテナンスの際はブラシで埃を取り除くことを忘れずに。

少し汚いですが…
内部はこのようになっています。
インソールは付属しません。このまま、履いてもいいですが、ライニングの消耗が気になる方はインソールを入れてもいいと思います。私はクッション性のあるインソールを入れています。インソールを入れる場合はサイズに注意しましょう。私は通常よりハーフサイズアップでインソールを入れています。
また、ゴアテックスのラベルがあります。ゴアテックス搭載ですので完全防水です。水は入ってきません。(履き口からは入ってきますけど…)
こんなこと↓をしても大丈夫です。
ゴアテックスは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)を延伸加工したePTFEフィルムとポリウレタンポリマーを複合化して作る。1969年にボブ・ゴアが、PTFEを用いた低コストなシールテープを作るための実験の中で、押し出しPTFEを急速に大きく延伸させることに成功した。 薄いフィルム状のゴアテックス メンブレンは1平方センチメートルに14億個の微細な孔をもつ。その最大の特徴は、防水性と透湿性を両立させていることにある。つまり、水蒸気は通すが雨は通さない。基本的にはナイロンなどの表生地と裏地でゴアテックス メンブレンをラミネート加工した3層構造(3レイヤー)、裏生地をコーティングした2層構造(2レイヤー)が主流であるがゴアテックス シェイクドライプロダクトテクノロジーなど、ゴアテックス メンブレンを表面に使用した2層構造の生地も存在する。表面生地の撥水性が落ちると、表面に水の膜ができてしまい、水蒸気を通しにくくなることで内部が蒸れてしまうこともあるため適切なメンテナンスが必要である。
※Wikipedia参照
マウンテンライトは登山でも履けるのか?
実は私、アウトドアショップでのアルバイト経験がありまして(3年ほど)、アウトドア用品に関してはまぁまぁの知識があります。
そんな元アウトドアショップ販売員が「マウンテンライトは登山で履けるのか?」を検証します。
結論からいいましょう。
マウンテンライトは登山で…

履けます。個人的にはオススメです。
しかし、日帰り登山や富士山などの登山道がある程度整備されている山に限ります。
岩場の多い山や縦走する場合には、お近くの登山用品店で適切な登山靴をお買い求めください。
マウンテンライトのオススメポイントを3点紹介します。
- ゴアテックスで完全防水
- Vibramソールで安定した歩行性
- 足に馴染みやすいレザー
ゴアテックスで完全防水
アウトドアのジャケットなどで一度は見たことがあるのではないでしょうか。
ゴアテックスとは、防水透湿素材です。各ブランドがオリジナルの防水透湿素材を開発していますが、その中で完成度が最も高いのはゴアテックスです。
その名の通り、水の侵入を防ぎます。耐水圧○○mmで評価されます。雨はどれだけ強くても1000〜1500mmです。耐水圧2000mm以上の表記があれば完全防水と言えます。ゴアテックスの場合、耐水圧の表記がありませんが、登山シーンにおいて十分な性能を持ちます。
内部の水蒸気を外へ逃がすことを透湿性と言います。人は汗をかきますので、水が侵入しなくても内部が濡れることがあります。(特にレインウェア) それを防ぐために透湿性は必要不可欠です。
登山シーンにおいては、防水性というのは必要不可欠です。雨が降った場合はもちろんのこと、雪や水溜りなどを歩く場合にも必要です。
足は汗をかきやすい箇所でもあるため透湿性も必要です。内部が蒸れていると不快に思いますので、透湿性のある靴の方がいいです。
マウンテンライトはゴアテックスを搭載していることで、雨が降った場合でも快適に歩くことが可能です。
Vibramソールで快適な歩行性
先にも述べたように、マウンテンライトはVIBRAM クレッターリフトソールを採用しています。
Vibramソールは、多くの登山靴に採用されている信頼できるソールブランドです。
クレッターリフトソールは、体感として柔らかいソールです。屈曲しやすいため、普段靴と同じような歩行ができます。ソールに厚みがあるため、クッション性もあり、路面の凹凸も感じにくいです。
軽登山で使われるような、ローカット、ミドルカットに近いです。こちらのソールも曲がりやすいため平地で歩きやすいです。
ということで、日帰り登山にはもってこいのソールです。
ちなみに…
ハイカットの登山靴の場合、硬いソールが使われることが多いです。その理由として、足場の悪い岩場やアイゼンなどをつけることを想定しているためです。硬いソールは路面の凹凸を感じにくく、安定感があります。アイゼンをつける場合、ソールが硬くなければアイゼンについているプレートが折れてしまいます。(説明が難しいのでお近くの登山用品店で聞いてください)
足に馴染みやすいレザー
マウンテンライトの革は非常に柔らかいです。つま先には芯材が入っているため硬いですが、それ以外は柔らかいです。履き口は厚みがあり足首を守ってくれます。
普段ローカットの靴を履いている方は、ブーツのように足首が高いものを履くと違和感があります。足首周りが痛くなることもあります。履いていく内に慣れて違和感と痛みも無くなっていきます。
しかし、ブーツによっては足首周りのどこかが当たって、痛い場合もあります。化学繊維で作られたブーツの場合は柔らかくならないため、その痛みが継続します。足に靴の形が合っていないと思った方がいいです。紐の縛り方や靴下の厚みを変えるなどで調整することは可能ですが、あまり期待しない方がいいです。
それに対して革靴は柔らかくなり足の形に合ってきます。そのため、最初は当たって痛かった箇所が履いて馴染んでいく内に痛みが無くなっていきます。
マウンテンライトは最初から柔らかい革ですので、足馴染みは抜群にいいです。ミドルカット、ハイカットモデルが欲しいけど、足首周りが…、と思う方にオススメです。
街でも登山でも
防水性、歩行性、足馴染みの良さなどいいことばかりです。街中でも歩きやすいですし、そのまま山へ行っても大丈夫です。万能で言うことなしです。
特に雨や雪が多く降る地域の方にはオススメです。私もこれを買った時は雪が降る地域にいましたのでとても重宝しました。今は雪が全く降らない地域に住んでいますが…
注意点
登山で使用する場合、注意点がございます。これは機能面や使用面ではなく、見た目の注意点です。
登山中は階段や岩場など様々な場所を歩きます。そのため、岩などに擦れて色が剥げてしまいます。特につま先は剥げやすいです。私のマウンテンライトも少し剥げています。アウトドアで履く場合はこれも味と捉えて履けますが、街歩きですと…ちょっとみすぼらしい感じがします。
これが唯一の弱点の気がします。
私はアウトドアでも街履きでも使いますので、気になる部分です。特に買った直後に剥げてしまうとテンションガタ落ちです。
ということでその対処方も紹介します。
マウンテンライトのつま先の傷・剥げの補修
色クリームを使う

指に取るとこんな色
マウンテンライトをメンテナンスする際は、ダナー純正のクリームを使っています。クリームの色は靴の色と同じブラウンです。
こちらを使うと下記の写真のようになります。

写真を見てわかると思いますが…
はっきりいいましょう。
ほとんど変わりません。
クリーム自体にはほとんど染色作用はありませんので、染色目的で使っても意味がありません。あくまで保湿と栄養のクリームです。
では、どうすればいいのか?
こちら↓を使いましょう。
カラー補修クリームを使う
指に取るとこんな色
私が使っているのはサフィールのレノベイティングカラークリームです。革製品の色落ちや小傷などの色補修のために使うものです。
色はダークブラウン(05)です。こちらを使うと下記の写真のようになります。

どうでしょう?
だいぶ目立たなくなったと思います。実際は近くで見ると色落ちしている感じはわかります。しかし、履いたときの目線から見るとあまりわかりません。
小傷などによる剥げでしたら、こちらで十分だと思います。ご参考までに。
プロの靴修理屋さんの色補修はこちらから。ダナーライトの色補修をしています。仕上がりは素晴らしいです。
おわりに
マウンテンライトはいかがだったでしょうか?
アウトドアが好きな私としては、デザインと機能面に大変満足しています。デニムとの相性もいいですし、アウトドアファッションが好きな方にはハマりやすいです。
機能も充実してますのでアウトドアのお供に活躍してくれます。キャンプに登山、なんでもこいです。

いや〜 いいブーツです。
マウンテンライトはここで買える
アウトレットモールで買う
私が購入したのは、ダナーマナワと同じくアウトレットモールです。サイズや色によっては安くなっていますのでオススメです。5年前くらいに購入したので値段は忘れてしまいました。すいません。
ネットで購入する
やっぱりネットが便利ですね。お近くに販売店がない方はネットで購入できます。
値段は5万円前後ですね。販売店によって若干変わります。
黒もいいですね。引き締まった感じがします。登山で使っても色が剥げなさそうですので、いいかもしれませんね。
こちらの色味も最高です。CASCADE CLOVISと言う色です。なんかいい感じのエイジングしそうです。Instagramのフォロワーさんにこちらを購入した方がいるので、「いいなー」と思いながら見ています。
これも欲しい…
ダナーライトも欲しいんです…
マウンテンライトを購入する時は、登山をしていて、ファッションもアウトドアよりでした。そのため、オールレザーのダナーマウンテンライトがカッコいいと思っていました。その時、ダナーライトはレザーとナイロンのコンビで邪道な感じがしました。(超定番の歴史あるデザインですけどね…)
今は前ほどアウトドアファッションではないので、ダナーライトが気になっています。マウンテンライトよりも細身な感じがして、きれい目なファッションにも合いそうです。機能面はマウンテンライトと同じくゴアテックスでVibramソールです。かっこいいな。もちろんマウンテンライトも好きです。
定価価格のダナーフィールドもあります。ダナーライトと瓜二つですが、少し違います。見た目での違いはシューレースホールの数とロゴ位置、タグデザインの違いです。また、生産国がアメリカとベトナムの違いもあります。
アメリカのブランドなので、生産国はアメリカにこだわりたいところです。

物欲が止まらない
と言うことで、だいぶ長くなってしまいました。
最後まで読んでくれてありがとうございます。