モノには経年変化するものと経年劣化するモノがあると思います。
例えば、革靴。
革靴は経年変化するモノです。使い込むほど、革の質感が変わり良い風合いになります。
しかし、マウンテンパーカーに代表されるナイロンジャケットは、経年劣化するモノです。
使い込むほど機能性は衰え、終いには使えなくなってしまいます。
そして、今回紹介するのは経年劣化するモノ。
アークテリクスのSVジャケットです。
どこが劣化したのか簡単に紹介していきます。
アークテリクスSVジャケットとは?
アークテリクスのハイエンドモデルがこの…
アルファSVジャケットです。
画像からもわかるように110,000円もする高級ジャケット。
マウンテンジャケットとしては最高品質・スペックを誇るモデルです。
詳細については下記で解説しています。
ファッションアイテムとしても人気があり、あのBEAMSでも何度か別注されています。
機能美を追求したデザインが男心をくすぐってきます。
特に黒が人気で、都会的なモダンなマウンテンパーカーです。
これを私は2015年に購入。
毎年の冬にメインのアウターとして着ていました。
かれこれ5年以上が経過しました。
そして、年の経過とともに…
経年劣化してしまいました。
その箇所が首元のシームテープです。
それを今回はご覧いただきます。
アルファSVの経年劣化
こちらが私の所有するアルファSVジャケットです。
パッと見は普通。
どこが劣化しているの?と探してしまいます。
実は劣化しているのは表面ではありません。表地は非常に丈夫で、5年使っていてもへたる感じはありません。
劣化しているのは…
首元のシームテープです。
見てもらいましょう。
首元のシームテープの劣化
5年使ったらこんな感じになってしまいました。
見るも無惨な姿…
劣化とは恐ろしいものです。
シームテープの劣化の原因としては加水分解。
スニーカーのソールの剥がれでもよく聞く言葉です。接着剤などの樹脂素材が水分と反応して劣化していくことです。
水分は湿気などや汗などが考えられます。
特に首元は肌が直接触れる部分でもあるため、汗や皮脂、また髪の整髪料がついたりします。
そういった汚れがシームテープの劣化につながったのではないかと思います。首元以外は特にシームテープの劣化はないので。
もう完全に剥がれています。
シームテープは縫い目の防水性を高めるもの。
剥がれてしまうと防水性が損なわれるため、シームテープの剥がれはスペックの低下になってしまいます。
また、首元は着ている時にも見えてしまうため、見栄えの面でもマイナスポイントです。
ロゴの部分もだいぶ剥がれています。
裏の接着剤でしょうか。茶色のものが見えています。
ちなみにアルファSVジャケットはカナダ製です。
フードにつながる部分も剥がれています。
このまま放置すると全部剥離しそうです。
シームテープの劣化を軽減する対策
何年も使えば劣化は免れないものですが、寿命を伸ばす対策はあります。
それは…
適度に洗濯することです。
これにつきますね
当たり前と言えば当たり前のことなんですが、意外とマウンテンパーカー系のナイロンジャケットだと見落としがちです。
毎回洗う必要はないのですが、基本的に雨の中使ったら洗濯するようにしましょう。
洗濯と言っても洗濯機でする必要はないです。シャワーで表面や裏面についた雨水や汗を洗い流すくらいで大丈夫です。
雨の中で使用すると雨水や泥などの汚れが表面につくのでそれを取り除きます。また、体から出た汗が裏面についているのでそれを取ります。
これをするだけで、汚れは簡単に取り除くことができます。
まずはこれから始めましょう。
そして、撥水性が低下していたり、シーズン終わりには洗濯機と洗剤で丸洗するといいですね。
一応レインウェアは洗濯機で洗うことができます。
洗い方としては…
- シッパーを全て閉じる
- 洗濯ネットに入れる
- 手洗いモードなどデリケート物の洗いにする
- 洗剤は液体洗剤やレインウェア専用のものを使う
- 脱水は行わない
- 撥水スプレーをかける
このようにするといいです。
洗剤は、おしゃれ着用の液体洗剤で大丈夫です。しかし、粉洗剤は使わないようにしましょう。粉洗剤は細かい粒子が生地表面の細かい通気口を塞いでしまう場合があるからです。
また、レインウェア用の洗剤もあります。
こちらは撥水性を付与してくれる作用があるため、撥水性が低下していると感じたらこちらを使用するといいと思います。
洗濯は手洗いモードなどを使用した方が生地へのダメージは少なくなります。そして、脱水は行わない方がいいです。
レインウェアは防水性があるため水を通しません。そのため、脱水時の水が生地を痛めることにつながってしまいます。
なので、脱水はせずにそのまま取り出し、バサバサと水を落とすくらいで良いでしょう。
また、撥水スプレーをかけるのもおすすめ。
ここで注意するのは撥水スプレーをかけること。防水スプレーではありません。
撥水スプレーは生地の透湿性を損なわず撥水性を付与することができます。防水スプレーですと透湿性を損なう可能性があります。
基本的にゴアテックスを使用したウェアは、防水性は確実にあるので、生地表面に水や汚れを弾く撥水性があれば良いことになります。
ということで、長く愛用するにはケアも大切です。しっかりとメンテナンスをして長く愛用していってください。
おわりに
今回はレインウェアの経年劣化を見てもらいました。
いかがだったでしょうか。
結構衝撃的な劣化だったのではないでしょうか。
特に今回紹介したものはアークテリクスのアルファSVジャケットで定価が10万円ほどもするアウター。
よく高いものは長く着用できるからお得という人がいます。
しかし、モノによります
機能性素材や化学繊維を使ったモノだと意外と劣化が早い傾向にあります。そのため、そういった素材のモノに関しては一生モノになり得ないと感じます。
しかしながら、機能性ウェアというのは男心をくすぐり欲しくなってしまうのも事実。
今回紹介したアークテリクスもまだまだ着たいと思うので、修理に出したいと思います。
修理後、どのようになったのかは別の記事で紹介していきます。
ということで今回はこの辺で。
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