コードバン脱皮の方法とメリット・デメリット | 光沢や革の凹凸、傷が気になったらやってみよう

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  • コードバンの光沢がなくなってきた
  • ゴードバン脱皮をするとどうなるの?

コードバン脱皮という言葉を聞いたことがありますか?

コードバンは他の革とは違った独特な輝きを持つのが特徴です。しかし、お手入れを怠って履いていくと、次第に光沢感が失われることがあります。また、雨の中で履いてしまうと雨染みができてしまったりします。

そのため、一度リフレッシュするようなケアをコードバン脱皮と言います。

脱皮ということで、普通の汚れを落としてクリームを塗るといったお手入れとは一味違います。

革にとってはタブーとされるようなことをしてコードバンの輝きを取り戻していきます。

ということで今回はコードバン脱皮の方法とメリット・デメリットについても解説していきます。

この記事でわかること

コードバン脱皮とは?

コードバン脱皮は簡単にいうと…

革表面を削ってならすことです。

コードバンの表面を耐水ペーパーでヤスリ掛けし、その後、クリームとかっさ棒を使って革表面をならしていきます。そうすることで、コードバン本来の輝きを取り戻します。

ここで疑問に思うことがあります。

やすりで削って大丈夫なの?

答えは…

たぶんYES

たぶんをつけずにYESと答えたいところですが、専門的な根拠はないので、ここではたぶんとしています。なので、コードバン脱皮をする際は自己責任でお願いします。

個人的にYESと思った根拠としては、コードバンの作られ方にあります。

コードバンとは馬の臀部の皮であることは有名な話。ですが、臀部の皮をそのまま使っているわけではありません。

実は臀部の皮を両面から削っていき、コードバン層を取り出します。これがコードバンという素材になります。

ここでポイントなのが…

削っているということです。

つまり、削っているなら、もう一度削っても問題無いというのが根拠です。

そして削ると必ず表面が荒れます。それを均していくと光沢が戻るはずというのがコードバン脱皮です。

ではどんな場合にコードバン脱皮をした方がいいのでしょうか?

こんな時にコードバン脱皮をした方がいい
  • 普通のお手入れをしてもコードバンが光らなくなった
  • 表面に小さな凸凹ができて気になる
  • 目立つ擦り傷がある
  • 雨染みができている
こんな時に
お試しを

このような場合にはコードバン脱皮を勧めます。

これ以外では特にする必要はないので、普通のお手入れで履いていっていいでしょう。

ということで、これからは実際にコードバン脱皮の方法を見ていきます。

コードバン脱皮の方法

コードバン脱皮の流れ

ではまず最初に簡単な流れを見ていきます。

STEP
コードバン靴を丸洗いする

これは絶対にすべきことではないですが、全体的な汚れを落としたい場合はしてください。 今回は丸洗いから、コードバン脱皮を行なっています。

STEP
耐水ペーパーを使って革表面を削る

耐水ペーパーの800番、1000番、1500番、2000番を使って削ります。 擦り傷が目立つ場合は800番から。傷がない場合は1000番から始めていいです。

STEP
デリケートクリームとコードバンクリームを塗る

まずはデリケートクリームで保湿・保革を行います。その後、コードバンクリームを塗り補色をします。

STEP
かっさ棒で革表面をならす

革表面の毛羽を寝かせ光沢を出します。

STEP
ブラッシングと布で乾拭きをする

ブラッシングで艶出しを行い、乾拭きで余分なクリームを取り除きます。

次に必要な道具を見ていきます。

コードバン脱皮に必要な道具

必要な道具一覧
  • サドルソープ&クリーナー
  • 耐水ペーパー
  • デリケートクリーム
  • コードバンクリーム
  • かっさ棒
  • ブラシ

普段のお手入れ道具を主に使います。

ここで重要になってくるのは耐水ペーパーです。

今回は800番、1000番、1500番、2000番の4種類を使います。

必要な道具の使い方については、各工程とともに紹介していきます。

コードバン脱皮を実践

では先程のコードバンの流れ実践していきます。

その前にどのような状態のコードバン靴を脱皮させていくのか見ていきましょう。

今回はこちらのAldenのVチップコードバンをコードバン脱皮していきます。

着用年数は2年ほど。週1以上ではいていました。

正直言うと、お手入れも定期的にしていますし、光沢も失われてはいないため、コードバン脱皮は必要なかなと思います。

しかし、履き皺とそこにあるボツボツのような凹凸が気になったので、コードバン脱皮をしていきます。

この角度から見ると赤で囲った部分が気になります。

まず履き皺が白く濁っています。この白くなるのが改善できるかどうかがポイントです。

また、ボツボツのような凹凸も見えるため、ここも滑らかにしていきます。

では早速やっていきましょう。

コードバン靴を丸洗いする

まずはクリーナーで汚れ落としをしていきます。

写真にあるようなクリーナーを使って古くなったクリームとワックスを落とします。

クリーナーについては下記の記事で詳しく紹介しています。

汚れ落としが完了したら、丸洗いをしていきます。

丸洗いをする際は、革専用の洗剤であるサドルソープを使います。

風呂場でシャワーを使いながら洗っていきます。

こんな感じでサドルソープをスポンジにとり、全体的に洗っていきます。

結構汚れが落ちていきます。中古で買った革靴などはサドルソープで洗ってあげると、臭いもある程度落ちるのでおすすめです。

洗った後は約1日乾燥させます。直射日光は極力避け、風通しのいい場所で乾燥させるといいです。

乾燥させた靴は以下のようになります。

こんな感じでマットになりました。

肌が荒れたような感じです。ザラつきがあり、コードバンの良さが全くありません。

ここから、光沢が戻るのか若干の不安を感じながら耐水ペーパーを使っていきます。

耐水ペーパーで革表面を削る

800番、1000番、1500番、2000番の耐水ペーパーを使って革表面を削っていきます。

気になる箇所で挙げた履き皺を中心に見ていきます。

STEP
800番で削る

800番を使うと結構ガッツリ削れます。ここまでするのが不安な方や擦り傷がほとんどない場合は800番からする必要はないかなと思います。

STEP
1000番で削る

800番からそこまで変わりません。

STEP
1500番で削る

若干、表面がならされてきた感じです。

STEP
2000番で削る

だいぶならされて感じがします。ここから光沢が戻るのか若干不安が残ります。

結構削られた感じがあります。不安を感じながらの作業となりますが、そこは期待感を持ちながら行なってください。

デリケートクリームとコードバンクリームを塗る

まずはデリケートクリームを塗っていきます。

丸洗いをして、さらに耐水ペーパーで削ったため、革は相当な乾燥状態とダメージがあります。そのため、デリケートクリームで保革していきます。

右:クリーム無し 左:クリームあり

デリケートクリームに関しては塗りすぎくらいべったり塗ってもいいと思います。

油性クリームだとベタついが残り埃がつきやすくなりますが、デリケートクリームは水分が主ですので、塗りすぎてもベタつきはほとんどありません。

デリケートクリーム後にコードバンクリームを塗っていきます。

コードバンの色と同系色のクリームを使い、補色と艶出しを行います。

かっさ棒で革表面をならす

水牛の角からできたかっさ棒を使って革表面をぐりぐりして毛羽立ちを抑えていきます。

これをすることで、光沢感が戻ってきます。

作業写真は割愛です。

ブラッシングと乾拭きで艶出し

ブラッシングと乾拭きをした姿がこちらです。

いかがでしょうか?

きちんと光沢が戻りました。

よかった〜

履き皺も見てみましょう。

少し乾拭きの痕がついていますが…

革表面のボコボコした凹凸は消えました。履き皺の白く濁った感じも今のところありません。おそらく履いたらすぐに白くなるかもしれません。

これまでつけていたワックスもきれいさっぱり取れました。

生まれ変わった感じです

光沢も増した?ような気がします。

コードバン脱皮の前から、光沢はあったのでそんな変わってないかもしれません。

なので、光沢感があるコードバンにはコードバン脱皮は必要ないかと思います。

1日履いた後

コードバン脱皮後、1日履いてみました。

履くことが履き皺がどうなったのか見てみましょう。

コードバン脱皮前は右足の方の履き皺が気になっていました。それがどうなったのかというと…

そこまで変わらなかったかなというのが本音。

一応見比べてもましょう。

左:脱皮前 右:脱皮後

見比べてもそこまで劇的な違いはありません。

少し表面がしっとり滑らかになった感じはあります。

なので、白く濁るような履き皺の改善には至らないことがわかりました。どちらかというと革表面の光沢感と滑らかさを出すのに有効的なのがコードバン脱皮です。

コードバン脱皮のメリット・デメリット

実際にコードバン脱皮をしてみて感じたメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

  • 光沢が出る
  • 革表面が滑らかになる
  • 雨染みが消える
  • 傷が消える
メリット

先程の結果からもわかるように光沢が出ます。

さらに表面も滑らかになり、雨染みや傷も消えます。

雨の日に履いてしまって、雨染みが気になる場合や転けて傷が入ってしまった場合はコードバン脱皮をするといいと思います。(でも自己責任でお願いします)

デメリット

  • 作業がめんどくさい
  • 不安感がある
  • そもそも光沢があるコードバンには必要ない
デメリット

実際にやってみると作業がめんどくさいです。

丸洗いと乾燥で約1日。

耐水ペーパーで削る作業などで小一時間ほど。削りカスも出るので、場所も考えなえればなりません。

ちょっとめんどくさいですね

気軽にやれる作業ではないので、休みの日を利用して、さぁやるぞと気合を入れて行わないといけません。

また、10万円を越すコードバンを削るのですから不安もだいぶあります。

本当に光沢が戻るのか?成功するのか?

結構不安でした

ですが、光沢は戻るので安心してください。(でも自己責任でお願いします)

そしてコードバンの光沢に関しては先ほども述べたように、元々光沢がある場合は、特に必要がないです。革表面の荒れが気になったらするといいと思います。

まとめ

コードバン脱皮はいかがだったでしょうか?

作業としてはそこまで難しくないですが、作業時間と不安感があるので、気軽にはできません。

なので、本当に必要かどうかを考えて作業をするかしないかを決めてください。

今回の結果を見ると、着用2年ほどのコードバン靴に対して、コードバン脱皮はそこまで必要ではなかったかなと思います。革表面の荒れはあったものの、すごく気になるってほどでもなかったので…

もし中古靴などで、光沢のないものや汚れが気になるものを手に入れた場合はコードバン脱皮をおすすめします。

靴の丸洗いもするとリフレッシュできて、自分の靴として履きやすくなります。

ということで今回はこの辺で

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