革靴とジーンズ。
これは私にとって最高の組み合わせ。
なので常にどんな革靴がいいかな〜
とか
どんかジーンズがいいかな〜
とアンテナを張ってます。
そんな中で、いくつか気になるジーンズを見つけたので今回紹介します。
WESTOVERALLS

WESTOVERALLS(ウエストオーバーオールズ)は元LIVING CONCEPTデザイナー大貫達正氏が2017ssから手掛けるブランド。
西洋はフランスのニームから誕生し、東へ渡りアメリカで繁栄した物語をテーマに、ジーンズををメインにした日本のデニムブランドで、全てのアイテムがユニセックスで展開されています。そのアイテムの特徴は元々デニムパンツがオーバーオールの胸元をカットして生まれた成り立ちに由来し、ウエストのベルト部分のパーツを無くしてあるディティールや、裏にはオリジナルのロゴ入りのゴムバンドを施すことで穿き心地をアップしている部分。
またウエスト内側にはサスペンダーループがすべてのボトムスに付いていたり、バックポケットの両端など、補強として付けられるリベットがないなど、穿き心地や耐久性への独自の視点から考慮された、WESTOVERALLSならではのディティールが盛り込まれています。
2017年のSSからスタートした新しいブランド。
定番・王道ジーンズもあれば、それと少し違ったディティールを持ったジーンズもあります。王道ジーンズをすでに持っており、少し違ったディティールのものを探している方におすすめ。
少し変わったディティールを持っていながらも、そこには意味があり、こだわりがあります。そんなウエストオーバーオールズの中で気になったアイテムが一つあるので紹介します。
817F

ぱっと見どうでしょうか?

普通のジーンズ……じゃない
大きな特徴はセンタープレスが入っていることです。これによってジーンズの持つ野暮ったさがなくなりきれいなシルエットです。
また、こちらはよく見るとフレアシルエット。フレアとは裾に向かって少し広がるシルエットのことです。写真からも裾が広がっている感じが見て取れます。
しかし、やりすぎなフレアではないので言われなければ単純なストレートシルエットに見えます。
ディティールを見てみると…
リベットやベルトが来る部分の布の切り替えしがありません。ジーンズ好きからするとちょっと違和感があります。
さらに内側はゴムになっています。これによって腰回りのフィット感が良くなるとともに、色移りやタックインした時の収まりが良くなります。
シルエット

やはりこのジーンズはシルエットが秀逸。
前から見た時のセンタープレスが…

最高です
腰回りのディティールもシンプルなのでタックインしてもスッキリ。スラックスのような雰囲気です。

さらにサイドからのシルエット。
見てわかる通り身体のラインを拾わず、ストンと落ちるストレートできれいなシルエット。
正面から見てもきれいなシルエットとなりますが、その秘密がサイドに隠されています。
その秘密が縫い方です。
こだわりのジーンズブランドならよくあるのがセルビッジ。生地の端にほつれ防止のためにつけられたものです。昔は主流でしたが、現在では旧式の織り機でしか作れない貴重な生地。そのためジーンズ愛好家に好まれています。
しかし、セルビッジ生地のデメリットはデザイン、シルエットが制限されることです。生地の端にセルビッジがあることから、セルビッジ部分は直線です。サイドをセルビッジで縫い合わせるとどうしても直線線的なシルエットになってしまいます。
ウエストオーバーオールズはどうなっているのかというと、セルビッジではなく、巻き縫いになっています。これによってデザイン、シルエットの制限がなくなり、ジーンズだけどきれいなシルエットを実現しています。
ジーンズ好きからすると「ちょっと邪道?」かなと思われるかもしれませんが、ウエストオーバーオールズは「現代のデニム」「再構築したデニム」と捉えた方がいいです。
心機一転、自分のスタイルを変えるのにも向いているジーンズです。
こんな革靴と合わせたい
センタープレスの入ったきれい目なジーンズですので、ドレスよりの革靴を選んでもいいかもしれません。
手持ちの革靴で選ぶなら…
内羽根のセミブローグと細身のキャップトゥなんかどうですかね。
プレーントゥも鉄板でいいと思います。
さらにフレアパンツということで…
チャッカブーツやサイドゴアブーツを合わせても最高だと思います。
もうなんでも合いそうな万能なジーンズだと思います。
STILL BY HAND

ブランド名の「STILL BY HAND」
訳すと
いまだに手で
となります。
やはり服作りに限らずモノづくりは人の手が介入することが多いです。そのため、いまだに人の手で作っているというのをブランド名にしているんですね。
そして、STILL BY HANDは日本のブランド。
いわゆるドメスティックブランドです。ドメブラと聞くと高いイメージを抱くかもしれませんが、STILL BY HANDはそんなこともなく、意外とリーズナブル。パンツは2万円以下です。他ブランドなら3万円くらいはすると思います。
また、展開されているアイテムを見てみると、ベーシックなアイテムが多いです。ドメブラだとファッション性を狙った奇抜なアイテムもあったりしますが、STILL BY HANDそんなことはなく、日常着としてすんなり着れるものが多いです。
そんな中から今回紹介するのはもちろんデニム。
しかしこちらもまた普通の定番ジーンズとはちょっと違ったものです。
チビタックデニム
名前が何とも愛らしいチビタックデニムです。
まずは上の写真を見てみると…

普通のジーンズ?
という印象です。テーパードがかかっているので、普通のストレートジーンズよりもシルエットはきれいに見えます。
このジーンズは商品名にもある通りタックが入っていること、上の写真ではわかりにくいですが、他の写真を見てみると…
このようにワンタックが入っていることがわかります。
また、ジッパーフライにフックとボタンになっており、ジーンズというよりはスラックスのように作られています。
さらにジーンズ特有のリベットもなく、スッキリとした見た目です。
昨今はタック入りのパンツが人気ですね。私もタック入りのもをいくつか所有していますが、シャツをタックインした時に腰回りにボリュームが出たりディティールが見せられるので気に入っています。
ポケットの位置も通常のジーンズとは違います。フロントではなくサイドになります。
これもスラックスを思わせるディティールですね。

あれっもしかしてこれはジーンズではなくスラックスなのでは?
と思ってきたところで、ジーンズらしいところをお見せします。
それが…
セルビッジのミミです。
なんとセルビッジデニムが使われています。ジーンズらしくないディティールなのに、ここでセルビッジ。
これで間違いなくジーンズとなります。

私はそう思います
さらにバックポケットも後からつけられたもの。
これもジーンズらしさがあります。特に飾りステッチやタブ、パッチなどはついていないのでシンプルな後ろ姿です。
そしてシルエットもいい。
シルエット
正面から見るとタックが入っているため腰回りにボリュームがあります。
デニム特有の硬さもあるため、少し膨らんだ感じになってます。
そして裾に向かってテーパード。きれいなシルエットです。裾もワンクッションになるくらいの長さ。ロールアップするのもいいですね。
横から見るとヒップに余裕があり、そこから細くなっていきます。足が長く見えるようなシルエットではないでしょうか。
個人的には好みなシルエット。
ちなみにモデルさんが穿くと…

かっこいい
これを鵜呑みにして購入すると失敗することもありますが、このジーンズならどんな方でもハマってくれる気がします。
値段は18,000円。
ドメブラでセルビッジデニムを使ってこの価格なら、買いだと思います。王道ジーンズからの乗り換えで挑戦してみてはいかがでしょうか。
こんな革靴と合わせたい
スラックス色の強いジーンズですので、ここは革靴をカジュアル目にしてバランスをとりたいですね。
なので手持ちの革靴で選ぶなら…
トゥがラウンドしてボリューム感のあるプレーントゥ。これがまずは候補です。
革靴とスラックスの持つドレス感。ぽってりフォルムの革靴とデニム生地が持つカジュアル感。これがうまくミックスされておしゃれに見えるはずです。
また…
ローファーもいいですね。
裾が長くないジーンズですので、少しロールアップして、足首を見せると爽快で爽やかな感じになると思います。夏場はこれが最高だと思います。
TCB JEANS

TCBJEANSは、古き良きアメリカのデニムをサンプリングし、現代の日常服としても魅力的に着てもらえるデニムスタイルの製作と提案にこだわっています。1880~1960年代当時のアメリカのライフスタイルや空気感を紐解き、道具としての扱いやすさ、着ることで気分が高まるような、感覚的な良さを細かいディテールに落とし込んでいます。また、自分達で作って売るというファクトリーブランドとしてのスタイルで、作り手の顔が見える製品づくりを心がけています。TCBJEANSは、「自分たちが本当に作りたい商品だけを作るブランド」というコンセプトのもと、ジーンズのある日常そのものが価値になる、そんなものづくりを目指しています。
先程とは打って変わって王道のジーンズ。
TCBは2007年に縫製工場から始まり、2012年にオリジナルジーンズを展開しました。翌年2013年に海外のデニムファンに注目され、海外で知名度が上がっていきました。
実際、TCBは中国人の友人から教えてもらったブランドです。
このブランドの特徴はデニム愛のこだわりが強いことです。
当時の細かなディティールを再現し、語れるジーンズを作っています。
正直、ジーンズ好きでなければどうでもいいことかもしれませんが、この「どうでもいいと思われることにこだわりを持つ」ことが男のロマンです。
そんな男のロマンを持ったモデルをここでは2つ紹介します。
S40’s Jeans
1940年代のジーンズを忠実に再現したモデル。
つまり…

大戦モデルです
1940年代といえば、第二次世界大戦。物資が少ない中で、ジーンズも簡素化されました。
そんな大戦モデルをTCBが再現しました。
まずフロントのディティールから見ると、コインポケットのリベットがありません。
簡素化されたディティール。
まぁこの辺は普通な感じ。
このジーンズのこだわりはバックポケットです。
このバックポケット。
なんか変じゃありませんか?

雑…
そうなんです。このなんとも雑な作り、これこそが大戦モデルならではのディティールです。
歪んだステッチや、やや下に付いている赤タブなど。今なら不良品と言われても仕方ないディティールです。
これを再現するんですから、頭おかし……すごいですね。
よく知らない人から見たら、「何そのジーンズ?作り雑じゃない」と言われそうですが、見る人が見れば「まさかそれは⁉︎」となるはずです。
もはや自己満の世界。
また、デニム生地はTCBかオリジナルで作ったもの。
生地からディティールまでこだわり抜かれたモデルです。
TCB Waist Overall
こちらはなんと1880年代に誕生したジーンズをベースにしています。
ベルトループはなくサスペンダーボタンがつきます。さらにハイウエスのストレートシルエット。
ディティールも面白く、バックポケットは一つだけ。シンチバックがつき、その下にパッチがあります。
ジーンズがファッションではなく、作業着であった面影を残してる感じがいいですね。
さらにデニム生地も1800年代を再現。こちらも細部までこだわり抜かれたジーンズです。
TCBのジーンズは少しクセが強いので、万人受けはしないかもしれません。しかしジーンズ好きからはすごく好まれるものです。
ゴリゴリのアメカジスタイルで穿いてもいいですし、このジーンズをうまく外しに使えるコーデを考えるのも面白いと思います。それにはセンスが必要だと思いますが。
こんな革靴と合わせたい
両モデルともシルエットはジーンズらしい野暮ったさとルーズさがあります。
なので足元は革靴でビシッと決めたいところ。
手持ちの革靴で合わせるなら…
Vチップのコードバン。
シャープな見た目とコードバンの艶できっちり感を演出します。
さらに…
ブーツを合わせるのもいいですね。
ワークブーツだとまんまワーク感が強すぎらので、スプリットトゥでシャープなデザインにするといいと思います。写真のようにロールアップしてあげると野暮ったさも和らぐはずです。
でも本当はレッドウイングのようなワークブーツで男らしい足元を演出してみたい気もします。
まとめ
今回は気になるジーンズと題しまして、3ブランド、4モデルを紹介しました。
4モデルともテイストが違います。皆さんは気になるモデルがありましたか?
個人的には最初のウエストオーバーオールズがすごく気になっているのですが、中国ではなかなかなく。オンラインでも購入できません。
STILL BY HANDとTCB Jeansは海外でも注目されているブランドだけあって、中国でも取り扱っているオンラインストアがあります。こちらの方が現実的に購入ができそうです。
ちなみに私が現在所有しているジーンズは下記の記事で紹介しています。まだ読んでない方はご覧ください。
ということで今回はこの辺で
コメント