はじめに
短時間で革靴ブランドのことを知る…
「さくっと〇〇紹介」シリーズです。
今回はTricker’sについて紹介していきます。
Tricker‘sの歴史
1829年、ジョセフ・トリッカーによりイギリスのノーザンプトンで創業しました。現存する最古のシューメーカーです。
1989年にはロイヤルワラントを授与されました。
2019年には190周年を迎えています。また同年にトリッカーズ青山店が国外初の店舗としてオープンしています。
トリッカーズの特徴
Tricker‘sといえばベンチメイド。でも本当なの?
トリッカーズを語る時によく出てくる言葉が…
ベンチメイド製法
通常、革靴は分業で作られています。革を切る人、縫う人、底付けする人などなど…
それをトリッカーズでは一人の職人が最初から最後までの工程をしているというのです。一人がベンチに座りながら作業するのでベンチメイドと呼ばれます。
これが事実なら、すごい手間がかかっています。
しかし、トリッカーズのHPを見てもベンチメイド製法という言葉を使っていませんし、これが現在も行われているのかどうかはわかりません。
歴史あるブランドですので、昔はこのようなベンチメイド製法で作られていてもなんらおかしくはないですが、現在にも受け継がれているのかという点では、ちょっと…どうなんですかね。
特徴は堅牢性
トリッカーズを一言で表すなら…
堅牢
これが1番だと個人的に思います。
なぜ堅牢なのか?
この写真からでもその堅牢性が伝わるのではないでしょうか。
アッパーに使われているのは厚みのある革。
そして、ウェルトはストームウェルトで水の侵入を防ぎます。
さらにダブルレザーソール仕様で耐久性は抜群。
もちろん製法はグッドイヤー製法。ソール交換が可能な製法です。
しかし…
堅牢ゆえに…
馴染むまでに時間がかかります。
最初はとにかく硬い。クッション性などまるでなく、常に硬い地面を歩いている感じです。
そこから履き込んで行くとインソールが沈み込んでいき、自分の足型がインソールにプリントされていきます。
そうなるとどうなるのか?
自分の足型にインソールが沈み込むことで、フィット感が増し、歩いていても疲れにくくなります。クッション性があって疲れにくいというのとは違い、靴の中で足が安定し余計な力が掛からなくなるために疲れにくくなる感じです。
なぜトリッカーズは堅牢な靴を作っているのか?
革靴というとドレスをイメージしやすいですが、トリッカーズではカントリーブーツを作っていた背景があります。カントリーブーツとは貴族がアウトドアを楽しむための靴です。アウトドアで使うためには堅牢にしなければなりません。そのため、堅牢な作りになっているのです。
エイジングが楽しめる靴
トリッカーズは堅牢ゆえに、長く履くことができます。数年でダメになることなんでまずありません。数十年と履ける靴です。
そのため、エイジングを長く楽しめます。
革の質感が変わったり、色が変わったり、履き心地が変わったり。
これは1年ほど履いたトリッカーズ。1年じゃあまりエイジングが進んでないように思います。それでも履き皺が入ったり、色も若干変わっていたりと経年変化しています。履き心地も変わってきています。
これから履き込んで行くとどんな経年変化を見せてくるのか楽しみです。
Instagramでトリッカーズを検索すると色々なエイジングを見せたモデルを見ることができます。見るだけで楽しいので是非ご覧ください。
知っておきたい2つのラストとおすすめモデル
ここではトリッカーズのラストの中で、有名な2つのラストとそれが採用されているモデルを紹介します。
4497Sラスト
こちらが…
4497Sラストです。
こちらのラストはトリッカーズのカントリーブーツであるSTOWに採用されています。
こちらのラストはトゥが低めに設計され、若干細めになっています。
アウトドア感のあるブーツですが、トリッカーズのブーツはエレガントに見えるのはこのラストのおかげだと思います。
細いと言いましが、他のブランドに比べるとゆとりはあります。どっしりとしたラストで、アバウトなフィット感な気がします。どんな足型でも履けますが、特段すごいフィット感を得られる感じはしません。しかし、履き込んで行くことでフィット感が増していきます。履き込んだ後のフィット感は唯一無二です。
私も4497Sを使ったプレーントゥを所有しています。履き心地のレビューも書いてあるので良ければご覧ください。
4444ラスト
こちらは…
4444ラストです。
こちらのラストを使った有名なモデルが…
BOURTON(バートン)です。
見たことある方も多いと思います。ウイングチップのメダリオンシューズの代表格です。装飾が非常に美しいモデルです。
こちらの4444ラストは先ほどの4497Sラストに比べて幅が広くボリュームがあります。ですが土踏まずが少し絞られているので、フィット感がいいラストです。
他にもおすすめモデルがあります
トリッカーズはカントリーブーツとウイングチップのイメージが強いですが、他にも魅力的なモデルがあります。下記の記事で紹介しているのでご覧ください。
価格
ここではトリッカーズの価格を見ていきましょう。革靴は日本と海外で値段が違いますが、まずは日本の価格を見ていきましょう。
トリッカーズの定価は覚えやすく、基本的に…
短靴が84,700円
ブーツが88,000円
となっています。(女性用などは値段が変わります)
こちらの価格はトリッカーズ正規取扱店の定価となります。
ネットで探すとおそらく並行輸入品であるものがちらほら見つかります。
そちらの値段が…
4〜5万円前後です。
サイズがわかっている場合、ネットで買う方がお得に買えます。
この値段は海外での販売価格とだいたい同じです。私はトリッカーズを香港で買いましたが、だいたい4万円くらいでした。
正規店ではネットでは販売されていないモデルや革を使ったものがあります。そう言ったモデルが欲しい方は正規店での購入がいいです。
定番モデルの購入でしたら、ネットでの購入がおすすめです。理由は安いからです。
まとめ
さくっとトリッカーズを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
トリッカーズは…
- 堅牢な作り
- エイジングが楽しめる
- フィット感が良くなっていく
- ネットで買うと意外と手頃
といった魅力があります。
やはりそれなりの値段を出して買う革靴なら長く履きたいですよね。そんな長く履ける革靴をお探しでしたら、トリッカーズがおすすめです。
歴史もある名門ブランドですし、革靴の聖地であるノーザンプトンで作られた靴です。数あるイギリス靴の中では、割と手頃な価格で買えるので、初めてのイギリス靴としてもおすすめです。
ということで今回はこの辺で
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