はじめに
なかなか馴染んでこない革靴ってありませんか。
数ヶ月〜数年履いているけど、いまいち馴染んでいる感じがしない。
もう少しで馴染みそうだけど、そのもう少しが来ない。
こんな経験ありませんか。
私はあります。
その靴がパラブーツのアヴィニョンです。
結構な頻度で履いているんですが、数時間履いているとちょっと小指に痛みがでてきます。痛くて歩けないほどではないですが、脱ぎたい気持ちになるくらいの痛み。
もう少し革が柔らかくなってあたりが良くなれば痛くならないと思うだけどな〜、と思いながら履いています。
そんなアヴィニョンをお手入れしたら履き心地が変わりました。
その方法をシェアします。
タイトフィットのパラブーツアヴィニョン
こちらがパラブーツのアヴィニョンです。
約1年ほど履いています。
結構攻めたサイズを選びこちらのアヴィニョンは…
uk5.5です。
普段ukサイズはuk6かuk6.5を選んでいます。ちなみにトリッカーズはuk6.5です。
そのため、このアヴィニョンはタイトフィットです。
タイトフィットの理由
なぜタイトフィットを選んだのか?
これは革靴は馴染んでいくとサイズ感が変わると言われているからです。
革が柔らかくなり、インソールが沈み込む。そうなるとハーフサイズまたはワンサイズ大きくなるようです。
特に有名なのはJ.M.WESTON。万力締めと呼ばれるタイトフィットを履き込んでいくと、自分の足にジャストフィットするサイズ感になります。
この影響もあってアヴィニョンはタイトフィットを選びました。
小指が痛くなる
履き始めてから1年ほどが経過しています。
履いた瞬間は締め付け感があるようなないような。ジャストフィットのちょいタイトと言った感じです。
その後、1時間もすれば慣れてきます。
しかし、そこからさらに数時間経つと、だんだんと小指に違和感を感じます。
仕事中は座っていることが多いので、この違和感ががあっても痛みに変わることは少ないです。ですが、買い物などで歩き回るとだんだんと痛みに変わります。
特に小指の側面が当たり痛くなります。
もうハーフサイズアップするといい感じのサイズ感になりそうです。
それなら最初からuk6を買った方が良かったんじゃ
まぁサイズをミスった感はありますが、ほんとにもう少し革が柔らかくなれば良くなりそうです。
ということで、革を柔らかくする方法を探してみました。
革を柔らかくし履き心地をよくする方法
この動画を見ている時に、あるキーワードが気になりました。
「汚れ落としの工程が1番大事だと考えている」
これです。
油性クリームやワックスにはロウが含まれています。そのため、ロウを落とさないとロウが硬化し、革が硬くなるようです。
確かに、蝋燭が硬いように靴クリームに含まれるロウも硬化しそうな感じはします。また、革が乾燥するのも革が硬くなる原因だと思います。
乾燥すると硬くなるのは、生活の知恵としてわかります。
刺身が柔らかく干物が硬いように、乾燥させたものは硬くなります。
ということは、革も乾燥することで硬くなります。そのため、乳化性のクリームで保湿・保革をする必要があります。
つまり、革が硬くなる、硬く感じる原因は…
- 油性クリームに含まれているロウが硬化した
- 革が乾燥し硬化した
この2つです。
これを踏まえて革を柔らかくするには…
- ロウを取り除く
- 革を保湿する
これが必要となってきます。
ということで「汚れ落としの工程が1番大事」となるわけです。
では実際に汚れ落としをしていきましょう。
徹底的に汚れを落とす
現状
このアヴィニョンは写真を見てもわかるように、鏡面磨きがされています。また、全体的に油性クリームを使用しています。
そのため、先ほど述べたようにロウがついています。
アヴィニョンは約1年間履いています。月1回程度のお手入れで、毎回、油性クリームとワックスを使用しています。汚れ落としもしていますが、そこまで気をつけていたわけではありません。
TWO FACE LOTIONというクリーナを使い、ある程度汚れ落ちてきたかなくらいでやめていました。このクリーナーは水性と油性のクリーナーが混ざったもので、汚れを落とす力が強いわけではありません。そのため、鏡面の汚れが完全に落ちていないこともしばしばありました。
今回は、徹底的に汚れを落とすため、このクリーナーよりも強力なクリーナーを用意し汚れを完全に落としていきます。
使用するクリーナー
ここでは4つのクリーナーを使います。
- THE CLEANER for mirror shine
- HIGH SHINE CLEANER (固形)
- HIGH SHINE CLEANER (液体)
- TWO FACE LOTION
この4つのクリーナーです。
用途はTHE CLEANERとHIGH SHINE CLEANER (固形&液体)で鏡面磨きで使われたワックスを落とし、TWO FACE LOTIONで靴全体の古くなった油性クリームや乳化性クリームを落としていきます。正直4つもクリーナーは必要ないかと思いますが、徹底的に汚れを落とすために今回は使用していきます。
それぞれの使用感に関しては、下の記事を参考にしてください。
汚れ落としスタート
こちらは汚れ落とし前です。つま先は鏡面磨きがされておりピカピカです。
これを油性クリーナーで落としていきます。
結局はこの2つのクリーナーでほぼ汚れ落としできました。
つま先やサイド、踵につけていたワックスを完全に落とし、全体的にマットな感じになりました。
普段汚れ落としに5分〜10分くらいを使っていますが、今回はその倍以上はしていたと思います。大体30分くらいでしょうか。特に鏡面のところは光っているところを完全になくすようにしました。
これで汚れは完全に落ちたはずです。
つまり、革を硬化させているロウが無くなった状態になります。
また、保湿・保革に使用した乳化性クリームも落ちきった状態ですので、今度はデリケートクリームを使い保湿・保革していきます。
デリケートクリームで保湿・保革
汚れを落としきってスッピン、乾燥状態にあるのでデリケートクリームで保湿・保革していきます。
使用するのは…
M.MOWBRAYのRICH DELICATE CLEAMです。
こちらは97%以上が天然成分で作られているジェル状のクリームです。乾燥した皮革に潤いを与え、硬化した比較に柔軟性を与え、皮革の劣化防止やハリを与える効果があるようです。
今のアヴィニョンの状態に持ってこいのクリームです。
では、これを塗り込んでいきます。
クリームの塗り過ぎはよくないと言われますが、デリケートクリームに関しては、塗り過ぎくらいでもいいと思います。私は大胆に満遍なく塗り込んでいきます。(あくまで個人の感想です)
続いて、油性クリームを使い油分を補給します。
私がよく使うのは…
クレム1925
ブラッシングした後にほどよい艶感を出してくれるので気に入っています。
こちらを使って油分補給と艶出しを行います。
そして、クリームを塗った後は豚毛ブラシでブラッシングしクリームを革の中に押し込みます。さらに、ブラッシングにより光沢が出ます。
その後は、乾いた布で余分なクリームを除去します。これによっても、艶が出ます。また、余分なクリームが残っていると、それが汚れとなるのできちんと拭いとっていきます。
そして完成したのがこちら
どうでしょか。
今回はあえて鏡面磨きをしていません。しばらくは自然な艶感を楽しんでいこうと思います。
写真で見ても、あまり違いはわかりませんね。どことなくもっちりした感じがあるような、ないような。
では、次に実際に履いてみた感想を書いていきます。
履き心地について
実際に履いてみました。
半日のショッピングで履きました。以前なら痛みがでるくらいの時間着用しました。
結論から言うと…
履き心地が…
変わりました。
良くなりました。フィット感はあまり変わっていませんが、明らかに革の感じが変わりました。
特に小指の部分。長時間歩くと痛みが出てきましたが、今回はそこまで痛くなりませんでした。当たってはいるのですが、革の当たりが柔らかくなりました。全体的にもフィットしており柔らかさがあります。
ここまで変わるとは。
テンション上がって2日連続で履きました。
やはり、汚れを落とすことで硬化していたロウがなくなったことと。デリケートクリームにより革に柔軟性が出たことが履き心地改善の要因だと思います。
やってみる価値はあります。
是非とも、もう少しで馴染みそうな靴に試してみてください。
まとめ
汚れ落としによる履き心地改善はいかがだったでしょうか。
「油性クリーナーでロウを除去し、デリケートクリームによって革に潤いと柔軟性を持たせる」
これで履き心地は変わります。
「汚れ落としが1番大事な工程」というのがわかりました。
特に難しいことはしていないので、是非とも試して欲しいです。
ということで、今回はこの辺で
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