はじめに
革靴のブランドは知っていても、「これはどこの革?」と言われると…ちょっとわからない。
そこで今回は革靴ブランドではなく、革のタンナーについて見ていきましょう。
革のタンナー
タンナーとは皮革を製造する製造会社のことをいいます。タンナーは世界中に存在しており、特にイギリス、イタリア、フランスなどのヨーロッパは有名です。しかしながら昨今は高品質な革がなかなか手に入らないことからタンナーが廃業していっています。
そんな中、今回は革靴のメイン素材である革を製造しているタンナーを紹介していきます。
イギリス
チャールズ・F・ステッド
代表的な革:スエード
1904年創業。革の中でも特にスエードが美しく、毛並みがきめ細かくしっかりしている。イギリスの革靴ブランドであるクラークスやトリッカーズもこのスエードを採用し、他にも世界中の有名シューズメーカーが採用。
ドイツ
ウィンハイマー
代表的な革:ボックスカーフ
2003年創業。150年の歴史を持つカールフロイデンベルグが廃業後、その伝統ある生産技術を受け継ぎ創業したブランド。使い込むほど落ち着いた艶と手に馴染む柔らかさが出てくるボックスカーフが代表的な革。
イタリア
ヌォーバオズバ
代表的な革:ヌメ革
1958年創業。革作りの墓に靴作りも行うタンナー。「イエス」「メンフェス」「チプリア」「シェイド」などの革のコレクションを持つ。
イルチア
代表的な革:ベビィカーフ
靴専門のタンナー。そして、イタリアンカーフの代名詞ともいえる大手高級タンナー。最高級革靴ブランドに採用されるほどのグレードの高い革を持つ。
フランス
デュプイ
代表的な革:ボックスカーフ
1948年創業。独自のクロームなめし製法や染色技術を駆使して生産される。その高いクオリティから多くのシューメーカーで採用されている。
アノネイ
代表的な革:ボックスカーフ
フランスの原皮のみにこだわっている。周囲を山に囲まれ、ミネラル豊富な源泉水を利用してなめされたボックスカーフが特徴。
スイス
ガルサー
代表的な革:オイルドカーフ
1780年に創業。防水性と耐久性に優れたレザーを製造している。特に本格的な登山靴やワークブーツに採用されている。
アメリカ
ホーウィン
代表的な革:コードバン
1905年に創業。アメリカに残る唯一のコードバンタンナー。アメリカの革靴ブランド「オールデン」との密接な関係があり、オールデンのコードバンはホーウィン社のもの。
日本
新喜皮革
代表的な革:コードバン
1951年に創業。馬革を中心としているタンナー。その中でコードバンを30年ほど前から生産している。
おわりに
今回はタンナーをまとめました。
皆さんが履いている革靴はどこのタンナーの革でしょうか。
ヨーロッパを中心に有名タンナーがありました。革靴ブランドによってはタンナーを公表してなかったり、モデルによってタンナーを変えていることもあります。しかしオールデンのようにホーウィン社の革だけを使っているブランドもあります。
オールデンといえばコードバンですが、コードバンタンナーは世界でもごく僅か。アメリカのホーウィン社と日本の新喜皮革の2社が有名です。ホーウィン社のコードバンはオールデン以外のブランドでも使われています。どんなブランドがあるのかは以下の記事をご覧ください。
革靴を選ぶ時は、どうしても革靴ブランドを気にしますが、革のタンナーにも目を向けてみると新たな発見をできるかもしれません。
では今回はこの辺で
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