はじめに
革靴を選ぶ時に何を見て選びますか?
デザイン、ラスト、履き心地などなど
その中でも革で選ぶこともあります。
例えば、コードバン。独特の皺と艶感に見せられ選ぶ方も多いと思います。
ということで、今回は革の種類に注目してみましょう。
革の種類
まずは革の大まかな種類を見ていきましょう。
革の種類を大別すると以下になります。
- 牛革
- 加工革
- 型押し革
- 哺乳類革
- 爬虫類革
この5つの種類からさらに種類分けをしていきます。
牛革
革といったら牛革です。
牛革と一言で言っていますが、実は牛革にも種類があります。ここでは牛革の種類を見ていきましょう。
- カーフ
- キップ
- オーバーウエイトキップ
- ステアハイド
カーフ
高級革靴でよく聞く素材がこのカーフです。牛革の中では最高級の革となります。
生後6ヶ月以内の仔牛の革で、雄・雌の区別はありません。仔牛のため革の面積が小さく薄手です。繊維構造が最も緻密でキメ細かく柔らかな質感が特徴です。牛革の中でも最高の美しさを誇ります。一頭あたりから採れる量も少ないため、価格が高く高級靴のアッパーに用いられています。
キップ
中牛皮とも呼ばれ、カーフに次ぐ高級革です。
生後半年以降から1年ほどの牛の革。雄・雌の区別はありません。カーフよりもやや厚手となり、強度も増します。キメも細かく滑らかな表情を見せてくれます。革靴のアッパーや鞄、ベルトなどに多く使われています。
オーバーウエイトキップ
大きく分けるとキップですが、生後1年から2年ぐらいの牛革をオーバーウエイトキップと言い、先ほどのキップとあえて区別するようになりました。成牛に近づいているため、キメの細やかさは劣ります。厚みがあり、耐久性があるためデイリーシューズなどに多く使われています。
ステアハイド
牛革といったら、こちらのステアハイドです。
生後3〜6ヶ月以内に去勢した雄牛で、生後2年以上が経過した牛の革です。牛革の中では最もポピュラーで厚みが比較的均一なのが特徴です。様々な革製品に使われています。通常、何も表記のない牛革の場合は、このステアハイドを指します。
革靴ではアッパーやソールに使われ、その他に鞄やベルト、ソファーなどに使われています。
加工革
見た目や質感に変化をつけているのが加工革です。加工の方法によって独特の表情が見られます。そんな加工革を見ていきましょう。
- スエード
- ヌバック
- 床ベロア
- オイルベロア
- エナメル
- メッシュ
スエード
革の肉面側をサンドペーパーで毛羽立て、起毛させた革の総称です。主に仔牛革、羊革、山羊革などの小動物革から作られています。鹿革の銀面を除去し毛羽立てたバックスキンもスエードと呼ばれることもあります。
ヌバック
銀面側をサンドペーパーで毛羽立て起毛させた革のことをヌバックと言います。スエードとは革の面が異なります。銀面は繊細であるため起毛させても毛羽がスエードよりも短くなります。仔牛革が使われたものが高級品とされますが、成牛や他の動物の皮からも作られています。
床ベロア
脱毛後、皮を2枚に分割した肉面側の皮を床皮と呼びます。それをなめすと床革になります。この床面をスエードと同様に起毛させたもので、スエードよりも毛羽が粗いものを床ベロアと呼びます。成牛などの繊維の粗い大型動物の皮が使われます。
オイルベロア
先ほどの床ベロアにオイルを含ませたものをオイルベロアといいます。オイルを多く含ませることで、防水性に劣るベロアに耐水性を持たせることができ、さらに柔軟性にも優れています。染み込ませるオイルの種類や量によっても様々な質感や表情を見せます。
エナメル
パテントレザーとも呼ばれます。パーティー用のドレスシューズに使われることが多く、光沢があるのが特徴です。現在では革にウレタンなどの耐摩耗性と光沢のある合成樹脂が使われています。防水性に優れています。
メッシュ
革を網状に編み込み加工したものをメッシュと言います。編み込みの模様によって様々なデザインになります。革は型崩れしにくく弾力性にとむゴードが使われることが一般的です。手作業で編み込むため手間と時間がかかり、価格も高めになります。
型押し革
なめした革の銀面に型のついてプレス機でスタンプのように押し付けて完成するのが型押し革です。
- シュリンク
- スコッチグレイン
- クロコ
シュリンク
シュリンクは縮む、つまるという意味です。その名の通り、なめしの段階で特別な薬品を用いて銀面を縮ませます。そうすることでシボが強調されます。シボが特徴的な加工革です。型押しもあり、その場合プレスでシボをつけることができるため安価で柔らかな手触りとなります。
スコッチグレイン
銀面に石目模様の型押しをした牛革のことです。名前の由来はスコットランド伝統の穀物模様の革からです。英国ではカントリーシューズなどに用いられています。上品ですのでカジュアルからビジネス、さらにドレスシーンでも使われています。
クロコ
型押し加工をしクロコダイルのような表情を持たせたものです。エキゾチックレザーのクロコダイルは希少で値段も高いため、その代替として使われます。
哺乳類革
革といわれると牛革が多いですが、それ以外にも哺乳類の革が使われています。特にコードバンは革靴の中でも屈指の人気を誇ります。そんな哺乳類の革を見ていきましょう。
- 馬
- 羊
- 山羊
- 鹿
- カンガルー
- アメリカンバイソン
馬
馬の革ではコードバンが有名で、馬の臀部の革です。コードバンは繊維が緻密で美しく、堅牢です。牛革にはない独特の光沢が特徴的です。しかし、採取量が少なくなり希少性ゆえに価格が高価になります。
羊
基本的に羊の革はキメが細かく、薄く柔らかなのが特徴です。そして繊維が粗いので強度が必要な革製品には向きません。そのため、革靴で使用されるのは稀です。生後1年以内の仔羊をラムと言い革のシルクとも称されます。正羊はシープと呼ばれ区別されています。
山羊
生後3ヶ月未満の仔山羊の革をキッドといいます。薄くて柔らかく、キメも細かいです。そして丈夫で張りがあるのも特徴です。銀面の模様も独特で高級革靴に好んで使用されています。ゴートは山羊の成獣革のことで銀面い独特の粗いシボがあります。弾力性にすぐれ型崩れもしにくく、耐摩耗性も高い革です。
鹿
薄くて軽く柔軟性があるのが特徴です。伸びても戻るという特性があり、形崩れが起きにくい革です。そのため、主にグローブや衣類で用いられています。雄鹿の銀面を起毛させたものをバックスキンまたはスエードとも呼びます。
カンガルー
しなやかで腰があり、伸びによる変形が少ないのが特徴です。オーストラリアではカンガルーの年間捕獲量が制限されており高級素材として扱われています。耐摩耗性にも優れ、サッカーのスパイクやスニーカーなどに用いられています。
アメリカンバイソン
強靭でありながらしなやかで軽く、使いこむほど柔らかく馴染んでいくのが特徴です。傷が多いため皮を取れる部分は僅かです。ちなみにアメリカバイソンは北アメリカに生息するウシ科の哺乳類で体調は約2〜3m前後です。
爬虫類革
エキゾチックレザーと呼ばれ、希少性が高い革です。革自体の値段も高騰しているため一生モノとして手に入れてはいかがでしょうか。
- ワニ
- ヘビ
- トカゲ
ワニ
大別するとクロコダイル、アリゲーター、カイマンの3種類があります。その中でもクロコダイルはウロコ模様の独特な形状と艶感が特徴的です、特に四角形のウロコ模様がきちんと揃っているものは高級品として扱われています。
ヘビ
大別すると大蛇のバイソンと小さなヘビ類のスネークがあります。その中でもダイヤモンドバイソンというダイヤ柄をもつものと、モラレスバイソンという石垣状の不規則な模様をもつものが知られています。
トカゲ
トカゲ革の総称をリザードといいます。爬虫類の中では比較的強度があり、様々な用途で使われています。革として使われるのは東南アジアからインドにかけて生息する大トカゲ類です。輪のような斑紋が並ぶリングマークリザードは最高級品です。
まとめ
革靴の定番の革といえば牛革ですが、牛革にも種類があり、その他にも多くの種類の革があります。
皆さんはどんな革が好きですか?
オールデン好きの私としてはコードバンが好きです。そして、経年変化が楽しめる牛革も好きです。それぞれの革に特徴があるため、1番好きな革を選ぶのは難しいものです。
ということで、今回は革の種類の紹介でした。
革靴選びの参考になれば幸いです。
では、この辺で
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