はじめに
妄想レビューとは
欲しいものはたくさんあるけれど、あれもこれも買えない。物欲だけがふつふつと湧いてくる。
それを解消するには妄想しかない。
気になったものを妄想の中で紹介するコーナー。それが「妄想レビュー」。
今回はどんな革靴に出会ったのでしょうか?
目次
プロローグ
ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則(ハインリッヒのほうそく、Heinrich’s law)は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。「ハインリッヒの災害トライアングル定理」または「傷害四角錐」とも呼ばれる。
Wikipedia
皆さんはこちらの法則をご存知だろうか?
ハインリッヒの法則と呼ばれ、1つの重大事故の背後には29の軽度な事故があり、その背景には300もの異常が存在するというものである。
これを革靴に当てはめると…

「一足の最高のフィッティングに出会うには、29足もの適度なフィッティングの靴、そして300足もの試着が必要である。by the_old_river」
多くの革靴の中、最高のフィッティングに出会えるのは奇跡に近いのである。
最高の履き心地を求めて…
最高のフィッティングとは、最高の履き心地と同義であると考える。
最高の履き心地を求め、我々はドイツへ向かった。

ドイツは言わずと知れた「ものづくり」の国である。
「ドイツ車」はその代表格だ。
では、革靴はどうであろうか。
ヨーロッパは革靴の発祥地である。特にイギリスのノーザンプトンは革靴好きの聖地であると言ってもいい。
ドイツの革靴はどうか?
「靴のロールスロイス」
こんな噂を聞きつけ、我々の足はドイツへ向かった。
さて、どんな革靴が我々を待ち受けているのであろうか。
ハインリッヒ……
ドイツにつき早数日、我々はついに噂の革靴と出会った。
それが…
ハインリッヒディンケラッカーだ。
そう、冒頭で紹介したハインリッヒの法則を提唱した人物の名を受け継いだ靴である。

全然違う。
目を見張るのはこのソールとアッパーを繋ぐ部分。ウェルトだ。
なっなんだこれは⁉︎
三つ編みされたような重厚なウェルト。
こんなの見たことがない。
遠目から見ても伝わるこの重厚感。
素晴らしい。
これ以上の言葉が出てこない。
ウェルトに目を奪われたがそれだけではない。
ソールに目をやると…
なっなんだこの厚みは
とっトリプルソールだと。
正気か‼︎
一体どこを歩くつもりなんだ。
それだけではない。
JR
はて?どこかで見たことあるような。

Joh. Rendenbach
ジョーレンデンバッハだ。
レザーソールの中では最高峰と呼ばれるソールである。
さらに、ヒドゥンチャネルを採用し縫い目が見えない。化粧釘も規則正しくこれでもかと打ち込まれている。
なんとも美しいアウトソールである。
ソールは履き心地に直結する部分。
靴のロールスロイスと呼ばれる所以はここからきているのか‼︎
ここまでは死角がない。
素晴らしいぞ、ハインリッヒディンケラッカー。
しかし、この名前は長い。敬意を込めて、ここからはディンケと呼ぶことにする。
ディンケのアッパーは、なんと…
ここまでソールに見惚れてきたが、革靴で重要なのはデザインとアッパーの素材ではないだろうか。
革靴を見るとき、初めに目に飛び込むのはデザインである。そして、そのデザインを際立たせるのは素材である。
これはディンケを代表する
BUDA である。
デザインはメダリオンのウイングチップ。
んっ?なんだこの輝きは?
こっこれは…
コードバン⁉︎
しかも、コードバンの定番カラーであるブラックとバーガンディではなく、ブラウン系のコードバンではないか。
オールデンではこのカラーをレアカラーと呼んでいる。
すっ素晴らしい輝きを放っている。
こちらは少し色が明るいコードバンである。
明るい色のコードバンは傷が目立つため、傷のない皮が使われる。
ただでさえ希少と呼ばれるコードバン。さらに傷のない皮はどれだけあるのだろうか。
考えるだけで、その希少性がわかる。
そして、BUDAのシューホールは3つである。そのため、甲の部分の面積が増える。コードバン特有の波打つ皺が堪能できる。
なんとも贅沢な仕様ではないか。
んっ贅沢⁉︎
そうか、この贅沢さは靴のロールスロイスと呼ばれるもう一つの所以ではないだろうか。
最上の履き心地と最高の素材。
「靴のロールスロイス」と呼ぶにふさわしい靴である。
ここでひとつ疑問が生じた。
ロールスロイス…
そう我々はロールスロイスに乗ったことがなかったのである。
ロールスロイスを求め、我々一行は本社のあるイギリスへと向かった。
その足元にはハインリッヒディンケラッカーが…
次回
「ロールスロイスを訪ねて三千里」
乞うご期待。

まじで⁉︎
書くの⁉︎
書かないよね?
ねぇ書かないよね?
ねぇ。ねぇってば……
………
E.N.D
※一部フィクションが含まれております。
プロダクト紹介
ハインリッヒディンケラッカーの話はどうだったでしょうか。
変な話から始まりましたが、最後はうまくまとまったような気がします。
気がするだけかもしれませんが…
ということで、ここからはディンケについて詳しく見てみましょう。
ハインリッヒディンケラッカーとは

代表ラスト RIOとBUDA
上の話ではRIOとBUDAが混同していましたので、ここで違いを見ていきましょう。
ラスト | RIO | BUDA |
製法 | ハンドソーンウェルデッド製法 | ノルヴェージャン製法 |
ソール | トリプルソール | ダブルソール |
RIOとBUDAはラストの呼び名です。
それぞれのラストを使って、デザインを変えています。
そのため、RIOのフルブローグもあればBUDAのフルブローグもあるわけです。
個人的な印象では、ディンケはフルブローグのイメージが先行しますが、プレーントゥやストレートチップもあります。
RIO
BUDA
上がRIO。下がBUDA。
ラストとしてはBUDAの方が細身に作られています。
と言っても、ディンケのラストは比較的幅広に作られているようです。
特徴的なのはソールと製法だと思います。
RIOは、ウェルト控えめでソールが厚い。
BUDAは、ウェルトごつくてソールがちょい薄。
簡単に言うとこんな感じです。
それぞれ、ディンケの特徴を表していると思います。
レザーソールを選んだ場合、両方ともジョーデンレンバッハとなります。
そして、RIOはデフォルトでトゥスチールがつきます。これはトリプルソールのため、履き初めはソールの返りが悪いためだと思います。
[blogcard url=”https://www.as-surpass.co.jp/index.php/Special/view/jr”]
ディンケの素材
コードバン
やはり気になるのが素材ではないでしょうか。
素材の中でも特にコードバン。
ディンケのコードバンは、オールデンでお馴染みのホーウィン社のコードバンです。
そして、オールデンでコードバンモデルを探すと通常はブラックかバーガンディの2色となります。
通常と書いたのは、これ以外の色はレアカラーと言われ入手困難だからです。
中古市場で探すか、いろいろなコネクションを必要としたりしますのでショップに行って置いてあるモノではありません。(もしあったらご連絡ください。)
ちなみにレアカラーはこう言った色です。
ウィスキーコードバンやシガーコードバンなどと呼ばれ、ブラウン系の色です。他にも赤色もあるようです。

香港のTasselsにありました。
ここでディンケの公式サイトを見てみると
[blogcard url=”https://www.heinrich-dinkelacker.com”]
な、な、な、なんと

オールデンでレアカラーと呼ばれるような色のコードバンが普通に注文できるんです。(海外サイトですので普通と言うと変ですが…)
ディンケではこの色の呼び名をDark Cognacとしています。
さらにBUDAは

ネイビーコードバンを注文することができます。
オールデンではレアカラーなのにディンケでは通常カラー。
どうなっているのでしょうか。
ちょっとわからないです。
その他の素材
ボックスカーフ
生後半年以内の仔牛の皮。牛革の中では最高級とされキメが細かいのが特徴。
ヌバックレザー
牛革の銀面(表面)を起毛させたレザー。味わい深い経年変化が特徴。
トスカーナレザー
イタリアのトスカーナで鞣されたレザー。独特のムラが特徴。
他にも多数ありますが割愛します。
ハインリッヒディンケラッカーを買う
取扱店で購入する
初めて購入するなら実物を見て、試着してから買いたいものです。
と言うことでディンケの取扱店は以下のリンクからご覧ください。

個人輸入
ディンケに関するブログを見ていると個人輸入している方々がいます。
個人輸入と言うとハードルが高そうですが、意外と低い感じがします。
と言うことで、個人輸入に挑戦する方は以下のブログを参考にしてみてください。
PCから購入 → 首藤革靴出張所(@shudo_ktrさんのブログ)
スマホから購入 → もでぃふぁいど(@modifiedjpさんのブログ)

やってみたいな〜
[blogcard url=”https://www.shudo-kawagutsu.com/entry/2019/07/15/120000″]
[blogcard url=”https://www.shudo-kawagutsu.com/entry/2019/07/16/190000″]
[blogcard url=”https://modified.jp/transfer-heinrich-dinkelacker”]
ネットで購入
取扱店が近くにない。個人輸入はやっぱり不安。という方はネットで購入しましょう。
価格はRIOとBUDAともに
159,500円です。
どうでしょう?
コードバンモデルとしては妥当な値段でしょうか。
オールデンのコードバンモデルも同じくらいです。
しかし、ディンケの場合、レアカラーと呼ばれるコードバンを選ぶことができます。
オールデンでは手に入れることが難しいレアカラー。そして、レアカラーのコードバンは価格も上がります。通常モデル以上の値段になりますので、15万円以上はします。
と、考えると16万円でレアカラーが買えるならいいと思ってしまいます。

おわりに
ハインリッヒディンケラッカーはいかがだったでしょうか。
素材から製法、履き心地までこだわりの見える靴だと感じました。
見てみたいのはもちろんですが、履いてみたい靴です。トリプルソールを体感してみたい。
ということで、今回はこの辺で
