- ミリタリーライクなチノパンが欲しい
- アメリカ軍のチノパンが欲しい
- 素材にこだわったチノパンが欲しい
チノパンがミリタリー由来のパンツだということを知っていたでしょうか?
実はイギリス軍で軍服として使われており、その後、アメリカ軍が使ったことで一気に広まりました。
現在では幅広い年代で穿かれており、パンツの代表格でもあります。
そんなチノパン。ユニクロで買えばリーズナブルな値段ですが、今回紹介するのはNigel Cabournが作ったこだわりのチノパン。
アメリカ軍のチノパンがベースで、太めのシルエットが特徴的です。
また、素材はウエポンと呼ばれる生地。
上質なチノパンの生地として有名で、光沢感とハリが強いのが特徴です。
ナイジェルケーボンのものはヌメッとした光沢感。
独特の風合いがあります。
経年変化も楽しめる素材となり、長く履いていける一本です。
この記事ではナイジェルケーボンのチノパンを徹底解説していきます。
ナイジェル・ケーボンについて
ナイジェル・ケーボンは40年以上に渡ってガーメントデザインをしてきましたが、彼の創作するコレクションは、一般的に「ファッション」という言葉が持つ意味とはほとんど一致しません。
彼はトレンドに左右されることなく、ビンテージクロージングや生地、デザインディテールといったものに対する長年に渡る情熱に突き動かされて創作しているためです。 こういった要素が、何年にも渡って彼のクリエイションの基礎となり、そしてまた現在の彼のコレクションの重要な部分を占めてきたのです。ナイジェル・ケーボンは1967年から1971年までイギリスのNORTHUMBRIA UNIVERSITYに在籍し、まだ在学中の最終年に自身のブランドであるCRICKET (のちにNigel Cabournと改名)を立ち上げました。
その当時から現在に至るまで、周りの多くの人々のアドバイスに反して、イギリス北部の拠点から動くことはありませんでしたが、それはその寒くて風の強いイギリス北部の環境は、デザインをする上で大きなインスピレーション源となっているためです。そして今では数少ないアウターウェアのスペシャリストとして知られるようになったのです。ナイジェルがこれまで30年以上かけて収集してきたビンテージクロージングは、今では4000点以上にも及ぶ膨大なコレクションになっています。
その中には、レアなイギリス軍のテストサンプルを含む1910-50年代のイギリスを中心としたヨーロッパ、アメリカのミリタリーウェアやワークウェア、そして探検家が着用した貴重な服等が含まれ、自分で世界中から探し出してきたものばかりです。
毎シーズンの彼のコレクションの土台となっているのは、この増え続けているビンテージコレクションであり、決して特定のトレンドや、一般の人達が求めているものに流されて創作している訳ではないのです。
毎シーズン発表する各コレクションがリアルなストーリーや歴史観、そして完成度を元にしていて、それらをまとめて支えているのが最高レベルのクオリティーの高さなのです。ナイジェルは、現在もNigel Cabournブランドの原動力として活動しており、自分のチームや協力工場、コラボレーションする企業等と協同してコレクションの創作に携わっています。
※ナイジェル・ケーボンHPより
ミリタリーやワークウェアのラインナップが多く、ヴィンテージライクな服が好きな方にはたまらないブランドです。
今回紹介するのは、ミリタリーアイテムの中から、チノパンを紹介します。
ベーシックチノパンツの外観レビュー
名前からもわかるように、ベーシックなチノパンです。
普通ってこと?
普通と呼ぶには、こだわりが強いチノパンです。
シンプルゆえにどんなスタイルにも馴染み、永く穿ける。そして永く穿くことのできる生地が使われている。そんな意味合いのベーシックな感じがします。
そして、チノパンとはミリタリーパンツです。
でもミリタリーっぽくない
やはりミリタリーパンツというとカーゴポケットがついていたり機能性に特化したパンツを思い浮かべます。
しかし、チノパンも軍服として穿かれていた立派なミリタリーアイテムです。
そんなチノパンを語る上で欠かせないのがアメリカ軍のチノパンです。
アメリカ軍のチノパンで有名なのが…
- 41カーキ
- 45カーキ
この2つです。
数字は年代を表します。
簡単に特徴を示すと、41カーキの方が太いシルエットで、縫製もきれいです。
45カーキの方は41よりも太さは抑えられています。そして戦時中のモデルということもあり、簡易的な縫製となります。
では早速見ていきましょう。
Front
こちらがベーシックチノパンです。
色はオリーブです。チノパンといえばベージュが定番ですが、ベージュのチノパンはすでに持っているのでオリーブを選んでます。
穿いていない状態でも、その太さがわかると思います。
41カーキをベースにしているだけのことはあります。穿いたシルエットは後ほど紹介します。
近づいて見てみるとこんな感じです。
サイドに2つのポケットと右手側にコインポケットがつきます。
コインポケットはこんな感じです。
片玉縁仕様になっています。オリジナルのチノパンもこのような仕様になっています。
そしてフロントはボタンフライです。
ボタンには尿素ボタンが採用されています。
オリジナルでも使われているボタンです。珍しいものだとメタルボタンが採用されているものもあります。
あまり目立つ部分ではありませんが、トップボタンはシャツなどをタックインした時には見える部分です。
個人的には、生地の色味とボタンの色味が近いので気に入っています。メタルボタンだと悪目立ちするかもしれません。
内側を見ると、この部分にロゴとサイズ表記があります。サイズは32です。
サイドはダブルステッチとなっています。これも41カーキのディティールです。45カーキだとダブルステッチではありません。
ダブルステッチですと、経年変化としてパッカリングが現れます。洗うことによって生地が収縮し、縦線が入ったような模様が出てきます。写真でもパッカリングが現れています。
Back
後ろはこうなっています。
バックポケットが2つのシンプルな後ろ姿です。
両サイドのポケットは片玉縁仕様です。
そして左手側のポケットはボタンがついています。
ボタンで止められる仕様はオリジナルでも採用されていたり、採用されていなかったりするディティールです。
個人的には左手側のバックポケットは使用しないので、あってもなくてもいいかなと思います。
右手側のポケットはスマホなどを入れることがあるので、ない方が利便性が高いです。なので右手側にボタンがなくてよかったと思ってます。
あとはベルトループがオフセットされています。
正直どうでもいいかもしれませんが、ヴィンテージ好きからすとこういう細かなところに惹かれることもあります。
生地
ウエポンとは単糸ではなく双糸の綾織で、丈夫で光沢に優れています。
実物を見たり触ってもらうと、ハリがあるのに柔らかさもあるような生地感で、光沢感もあります。ユニクロなどのチノパンと並べて比べるとその違いはわかりやすいです。
ウエポンは、米国陸軍ウエスト・ポイント士官学校の制服に由来する生地ということで、ウエストポイントと呼ばれています。略すとウエポンです。
さらに糸には超長綿が使われています。これを高密度に打ち込んで生地にすることで、独特な生地感となるわけです。
この生地だけを見ても、他のチノパンとは一線を画すような感じが見てとれます。
また、生地の丈夫さを裏付けするような箇所も縫製を見るとわかります。
こちらの写真のステッチを見てください。
何の説明も聞かずに見ると、「なんか縫製が汚くて不良品?」と思われるかもしれません。
しかしこれには理由があります。
そのため、ステッチを見ていくと所々で、糸が燃えたような跡が残るわけです。
理由を知ると、この生地がこだわりを持って作られていることがわかってきます。実に面白いですね。
ベーシックチノパンツのシルエット
股上が深いので、結構ハイウエストで穿いています。
なんかクラシックな感じがして好きな穿き方です。
シルエットは見てわかる通り、太いです。
私の所有するチノパンでは1番太いシルエットです。サイドから見た時が太さがわかりやすいと思います。
たぼっとさせないためには、ハイウエストで穿くのがおすすめです。シャツをタックインして穿くときれいめな感じで穿くことができます。
太めのパンツを探していた方にはおすすめしたいパンツです
価格
こだわりの詰まったチノパンですので、値段も結構します。
こちらは…
20,900円(税込)です。
色は他にベージュとネイビーがあり、3色展開となります。全て同じ値段です。
チノパンというと、ユニクロなら5,000円以下で買えます。それを考えると2万円というのは正直高く感じます。
しかし、丈夫な生地が使われているので長く穿くことができます。長く穿くことで経年変化も楽しめます。自分でヴィンテージな風合いにできるというのは魅力の一つです。
高ければいいということではありませんが、高いのには理由があります。
ナイジェル・ケーボンの場合は生地やヴィンテージのディティールにこだわったというのがこの値段の理由です。
他ブランドとの比較
私の所有するチノパンの中に45カーキをベースにした復刻チノパンがあります。
それがバズリクソンズのチノパンです。ミリタリー系のアイテムを多く復刻しているブランドで、チノパンも当時を忠実に再現しています。
そちらと41カーキをベースにしたナイジェル・ケーボンのパンツを比較してみましょう。チノパン選びの参考にしてください。
ディティール比較
細かな点ですが、結構違うのがコインポケットとボタンです。
見た目は結構違う部分かと思います。
両玉縁のバズリクソンズの方が手の込んでいる感じがします。
トップボタンしか見えてませんが、トップボタン以外も同じ素材のボタンが使われています。
バックポケットもコインポケットと同様に片玉縁と両玉縁の違いがあります。
またナイジェル・ケーボンでは左手側のポケットにボタンがつけらています。
これは縫製の違いによるものです。
内側の縫製を見ると、縫製の違いがわかります。
- ナイジェル・ケーボンが巻き縫い
- バズリクソンズが割り縫い
となっています。
巻き縫いの部分がベルトループち干渉してしまうため、ナイジェル・ケーボンの方はベルトループがオフセットされています。
そして、この縫製の違いはブランドによるものではなく、41カーキと45カーキのディティールによるものです。バズリクソンズでも41カーキをベースにモデルは巻き縫いになっています。
太さはこのように違います。並べているだけだと、太さの違いがわかりにくいですので重ねてみましょう。
下にナイジェル・ケーボンがあります。
重ねてみるとナイジェル・ケーボンの方が若干太いです。
裾幅はあまり変わらないので、ナイジェル・ケーボンの方がテーパードがかかっています。
そして、バズリクソンズの方がストレートシルエットであることがわかります。
これは実際に穿いてみて好きなシルエットの方を選ぶべきですね。
そして生地については、両ブランドともにウエポンが使われています。
写真からは質感がわからないと思いますが、ナイジェル・ケーボンの方が柔らかさがあり、バズリクソンズの方がハリがある感じがします。
最後に価格の違い。
先程も紹介しましたが、ナイジェル・ケーボンは20,900円です。
対してバズリクソンズは12,980円です。
価格だけでみるとバズリクソンズの方が安いです。クオリティもバズリクソンズはいいので、コスパがいいのはバズリクソンズだと思います。
じゃナイジェル・ケーボンを選ぶ理由は何?
と問われると、個人的にはシルエットと生地感です。
バズリクソンズの方がオリジナルに忠実な感じがして、無骨な感じがあります。それはそれでありです。
ナイジェル・ケーボンの方がヴィンテージのディティールに加えて、上品なシルエットになっている気がします。
また光沢感のある生地感も上品な感じを表しています。これは実物を見て、試着してわかることだと思います。是非とも手に取ってみて欲しいものです。
まとめ
ナイジェル・ケーボンのチノパンはいかがだったでしょうか。
ヴィンテージのディティール、太いのにきれい目なシルエット、丈夫で経年変化を楽しめる生地など、こだわりの詰まった一本です。
値段は少しお高めですが、何年も穿けるチノパンをお探しの方にはおすすめしたいチノパンです。
皆さんも是非とも手に取ってみてください。
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