オールデンは様々なラストがあります。
その中で、人気のあるラストのひとつが今回紹介する…
モディファイドラストです。
おそらくモディファイドラストを求めてオールデンを購入する方も中にはいるのではないでしょうか。
では今回はそんなモディファイドラストの特徴などを書いていきます。
目次
モディファイドラストについて
オールデンを語る上で重要なのは、オールデンは矯正靴を作っていた過去があることです。
矯正靴とはその名の通り、足に問題のある方を正しい歩行に導く靴のことです。そして、今回紹介するモディファイドラストもそんな矯正靴から生まれたラストです。
モディファイドラストの特徴

まずはこちらのラストをまとめた表を見てください。こちらの表で幅がわかります。
こちらを見るとモディファイドラストは右から2番目です。つまり、オールデンのラストの中でも幅広のラストとなります。
日本人は足幅が広いと一般的に言われているため、幅に関しては日本人に合いやすいと言えます。
そして、モディファイドラストの最も特徴的なのはアウトソールを見るとわかります。

こちらがモディファイドラストのアウトソールです。これを見ると特徴的な部分が見えてくると思います。
それが…
土踏まずの部分です。
土踏まずの部分が絞られ、くびれていることがわかります。これによって土踏まずをぐっと押し上げてくれます。アーチサポートともいいます。
これがモディファイドラストの特徴です。今お持ちの革靴があったら比べてみてください。違いがわかると思います。(上のラスト表からも他のラストとの違いがわかります)
ちなみにオールデンの定番ラストのひとつバリーラストと比べると…

どうでしょう。
土踏まずの部分を見ると一目瞭然ですね。
簡単にモディファイドラストの特徴をまとめると…
- 幅広
- 土踏まずがくびれている
となります。
扁平足にいい
扁平足は一般的な病態で、特に女性に多いと言われています。
扁平足は土踏まずのアーチがなく、足の裏全体が地面に接触することを言います。扁平足によって、足の裏や足首周りが痛くなったりなどの症状がでます。また、姿勢が崩れることによって膝痛、腰痛など各関節への痛みもでてきます。
そして、扁平足を改善する方法のひとつに「アーチサポートのあるインソールを使う」があります。
「アーチサポート」つまり、土踏まずの部分を押し上げ、正常な土踏まずにすることです。
ここでモディファイドラストを見てみると…
アーチサポートがあるんです。
つまり、モディファイドラストを履くことで、正しい姿勢、歩行をすることができ疲労しにくくなります。スニーカーのようなクッション材による疲労軽減ではなく、正しい姿勢・歩行による疲労軽減ができるわけです。
さすが矯正靴を作っていたオールデン。素晴らしいラストです。
モディファイドラストの履き心地
ここまでモディファイドラストの特徴を述べてきましたが、実際に履いてみるとどうなのか。個人的感想を書いていきます。
アーチサポート
初めてモディファイドラストを履くと土踏まずを突き上げてくる感じがわかります。今まで履いたことない感覚でした。
どんな感覚なのかというとビルケンシュトックに近いです。ビルケンシュトックもアーチサポートがあり、その感覚に近いと個人的に思います。
ビルケンシュトックを履いたことのない方は履いてみてください。モディファイドラストのオールデンよりも試着できる場所が多いと思いますので…
ちなみにビルケンシュトックの感覚に慣れると、モディファイドラストのアーチサポートを感じにくくなります(経験談)

自分の場合、モディファイドラストを初めて試着した数ヶ月後にビルケンシュトックを購入。そこから数ヶ月後にモディファイドラストのオールデンを購入しました。
その時に思ったのは、モディファイドラストのアーチサポートってこんなものだっけ?って感覚でした。おそらくビルケンシュトックによって土踏まずが鍛えられたのが原因かと思います。ちなみにビルケンシュトックを履いた次の日は土踏まずが筋肉痛のような感覚で痛かったです。
おそらくモディファイドラストを初めて履く人も次の日は土踏まずが痛くなるのではないでしょうか。特に扁平足の方は。
そしてこのアーチサポートは数回履くと慣れてきます。痛みが薄れ、心地いい感覚になります。
開放的なトゥ部分
モディファイドラストは幅広です。
実際に履いてみるとつま先部分は圧迫感はありません。開放的です。指も動かせます。
私は特別幅広の足ではないので開放的に感じるだけかもしれませんが、同じサイズの細身のラストに比べると明かに幅は広いです。
足幅でフィットする靴が見つからない方にはおすすめしたいです。

幅広のラストですが、見た目からはそこまで幅広な印象を受けません。先端に向かってぐっと細身になっていくためだと思います。またコバの張り出しもないのでスッキリした印象です。
例えば、トリッカーズと比べてみるとわかりやすいと思います。幅に関しては感覚的に同じ。しかし、見た目からはトリッカーズの方が幅広に見えます。先端の形状とコバの張り出しで印象が結構変わりますね。

サイズ感
幅広のため、サイズとしては通常のusサイズからハーフサイズダウンでもいいと思います。先ほどのラスト表にも書いてあります。
何を基準にするかでサイズ感は変わると思いますが、私の場合us7かus7.5でオールデンは選んでいます。
- バリーラスト:us7
- ミリタリーラスト:us7.5
- ハンプトンラスト:us7.5
- プラザラスト:us7.5
- トゥルーフレアラスト:us7.5
そして今回のモディファイドラストはus7.5。
本当はus7がジャストサイズですが、中古で購入したためサイズが選べず…us7.5を履いています。
ハーフサイズアップでも、アーチサポートが土踏まずにフィットしています。ですが若干踵が緩いです。それでもシングルソールの返りの良さで踵がついてくるので踵がパカパカする感じはありません。
また、モディファイドラストの場合土踏まずで履くとも言われています。そのためサイズ表記に捉われず土踏まずのフィット感で選ぶという選び方もあります。私はちょっとそこまでわかりませんが…
モディファイドラスト採用モデル
モディファイドラストは日本で数多くのモデルが展開されています。セレクトショップでも別注が数多くあります。全てのモデルを把握するのは困難です。
そして、そんな数多く存在するモディファイドラスト採用モデルの中で特に人気があるのが…
54321です。
通称「Vチップ」

モディファイドラストのちょっと歪な形状をV字のモカ縫いがシャープな印象に変えているような感じがします。履き心地だけではなく、モディファイドラストとV字のモカ縫いが組み合わさったデザインも人気の秘密だと思います。
そして54321は…
コードバン
オールデンといえばコードバン。54321はバーガンディのコードバンが採用されています。ちなみに54331というモデルは同じラスト、デザインでブラックコードバン仕様です。オールデンは色が違うだけでも型番が変わります。
私もVチップのオールデンを持っていますが、こちらの型番は63088。Vチップのバーガンディコードバンまでは54321と同じですが、違うのはラスト。63088はトゥルーフレアラスト。詳しくは下記のレビュー記事をご覧ください。

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54321はコードバンですが、こちらはカーフ(牛革)。
オールデンといえばコードバン。しかしコードバンは美しい光沢感がある一方で、水に濡れると染みになりやすいです。
それに対してカーフは水に濡れても染みになりにくく、コードバンほど気を使わなくて履けます。
ビジネスシーンで、週に何度も履くのであれば天候を気にせず履けるカーフの方がいいかもしれません。
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こちらもカーフ仕様。
キャップトゥ(ストレートチップ)でよりビジネスシーンで履きやすいモデル。
そしてカジュアルスタイルにもマッチしやすい外羽根式。
オンオフ問わずに履けること間違いなしの一足です。
まとめ
モディファイドラストはいかがだったでしょうか。
オールデン好きな方には是非とも手に入れて欲しいラストです。お持ちの方も多いと思いますが…
日本でのモデル展開が豊富ですので、気に入ったデザインのモノが見つかると思います。しかし、コードバンモデルに関しては稀少性があるためお店に在庫がないことも多々あります。予約しても数ヶ月、数年待ちということもあるようです。
欲しいモデルのマイサイズを見つけたら即決するのがいいと思います。といっても即決するには躊躇する値段ではありますが…特にコードバンモデルは13万円くらいしますので…
ということで今回はモディファイドラストについてでした。