はじめに
数年前から、秋冬の定番アイテムとなっているインナーダウン。
秋にはアウターとして、冬にはジャケットやコートのインナーとして使える万能アイテムです。
ユニクロでも販売されており、低価格で入手しやすくもなりました。
今回はそんなインナーダウンの火付け役となったであろうモノを紹介します。
モンベル インナーダウンの基本情報
ブランド | mont-bell (モンベル) |
モデル | スペリアダウン ラウンドネックジャケット |
素材 | EXダウン 800FP |
雑誌などの紹介で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
こちらは日本が誇るアウトドアブランド、モンベルのインナーダウンとなります。
アウトドアシーンにおいて重ね着(レイヤリング)は、暖かさを保つために非常に重要となっています。そのため、重ね着しやすいダウンとしてこのようなデザインが生まれたと思います。
ファッションシーンでも、コートだけでは保温性がないため寒く感じると思います。そのため、厚手のニットやスエットなどを重ね着している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このインナーダウンであれば、ニットやスエットの代わりとなり、かつ、保温性はそれらよりも上です。
ダウンと言うとモコモコして嵩張ると思うかもしれませんが、インナーダウン場合、モコモコ感はあまりありません。しかし、体を保温する機能は十分に備わっています。
その秘密はダウンにあります。次の項でダウンについて説明します。
モンベルのダウンについて
ダウンとは
そもそもダウンとは何でしょうか?
そして、皆さんが着ているその服はダウンでしょうか?
ダウンと似ているものに中綿があります。もしかしたら、皆さんがダウンと思っていたものが中綿かもしれません。ダウンと中綿は似て非なるものです。購入の時はご確認ください。
「グースダウン」「ダックダウン」とも呼ばれるようにガチョウ(グース)やアヒル(ダック)の羽毛のことを言います。
主にポリエステルなどの化学繊維やキュプラなどの植物由来の再生繊維で作られています。つまり、人工的に作られた綿(わた)のことです。
ダウンと中綿の違いがわかりましたでしょうか?
大きな違いは、天然繊維であるか化学繊維であるかです。用途としてはどちらも保温です。
どちらも用途は保温であるため、
「どちらを選んでもいいんじゃない?」
と思うかもしれませんが、それぞれ特徴があります。保温という用途以外にどんな場面で使うのかも考え選ぶ必要があります。
ダウンと中綿の違い
ダウンの特徴
中綿の特徴
ダウンと中綿で注目すべき点は、保温性と水の耐性です。
保温性ではダウンに軍配が上がります。ダウンは水鳥の羽毛です。その鳥たちが寒さの中、生き残れるのは羽毛(ダウン)の保温性能があるからです。
しかし、水に濡れるとダウンの保温性は著しく低下します。水に濡れることで暖かい空気を溜めるスペースがなくなり保温性が低下します。ダウンにとっては水(汗)は天敵です。汗を多くかかない状況で着るのがいいです。
中綿はダウンに比べ保温性は劣りますが、水に対しての耐性があります。そのため、濡れた状態でも保温性を維持できる特徴があります。つまり、汗をかく行動中に来ても大丈夫ということです。
※現在、ブランドによって様々な特徴を持つダウンや中綿があります。水に強いダウンであったり、発熱する中綿であったり。ここで述べたことは一般的なことです。
ダウンの品質を表すFPとは
こちらのダウンは800FP(フィルパワー)です。FP(フィルパワー)はご存知でしょうか?
FPとは、簡単に言うとダウンの品質を表す単位となります。数値が高ければ高いほど品質が良いです。
550〜700が良質なダウンと呼ばれています。アパレルで使われるダウンはこれぐらいだと思います。モンベルでは800〜1000FPの高品質なダウンを使っています。
では、FPが高いと何が変わるのでしょうか?
答えは、
「ダウンのロフト(かさ高さ)が変わる」
です。下図を見てください。
同じ量のダウンがあった場合、FPが高いほどロフトが高くなっています。そのため、暖かい空気を多く溜めることができ保温性が良くなります。そして、FPが高ければ少ない量でも暖かいということになります。
インナーダウンの場合、重ね着しても嵩張らないようダウンの量を調整していますが、それでも暖かいのは高品質なダウンを使っているからです。
また、ダウンの量が少なければ単純に重量も軽くなります。そして、小さく圧縮できコンパクトになります。携帯性もいいですので、鞄の中に入れておくこともできます。
その一方で、品質が高くなれば値段も比例して高くなります。ファッションとして、インナーダウンを購入する場合は800FPで十分な保温性があります。登山シーンで使う場合は、バッグの大きさ、全体の重量を考慮した上でお選びください。
ダウンボールとフェザー
ダウンと一言で言っていますが、ダウンジャケットに入っているのはダウン(ボール)とフェザーです。下図を見るとわかりやすいです。
ダウンボールは芯の無いフワフワしたものです。暖かい空気を溜め込み膨らみます。
フェザーは羽根ですので芯があるもので、膨らみません。こちらは型崩れを防ぐためにあります。
フェザーで骨組みを作り、そこにダウンボールが付いてダウンジャケットのモコモコ感になります。
ダウンボールとフェザーの内訳はブランドやモデルによって異なります。確認するようにしましょう。高品質ダウンに多いのはダウン90%、フェザー10%やダウンボール80%、フェザー20%です。
質の良くないダウンを使っているとフェザーの量を増やし、厚みを出している場合もあります。
ジャケットになると厚みがあり、暖かそうに見えますが性能としては…と言うこともあります。基本的にタグに内訳が書いてありますので確認するようにしましょう。
ダウンのまとめ
ダウンについてまとめると以下のようになります。
- ダウンは保温性が高い
- 水に弱い
- FPが高ければ品質が良い
- 軽量
- コンパクトになる
モンベルのダウンの詳しい内容はモンベル公式サイトで解説されています。下記よりご覧ください。
モンベル インナーダウンの外観レビュー
Front
襟のないラウンドネックとなります。
そして、スナップボタンです。ボタンは留めるとパチっと音が鳴ります。留める力は強くはないので、脱ぐ時はひとつずつ外す必要がなく、勢いよく開くと外れます。着脱が簡単です。
胸元にはmont-bellのロゴマークがあります。こちらはプリントではなく、刺繍です。
首元にはタグとループがあります。ハンガーが無い時でもフックにループをかけることができます。まぁあまり使うことはありませんが…
Back
後ろには特に何もありません。バックプリントも反射版などもありません。インナーダウンですので特に必要もないですが…
表と同様、ボーダーのような仕切りがあります。ダウンジャケットの良く見られるものです。
モンベルではシングルキルト構造と呼ばれています。これはダウンの偏りを防ぐためにあります。仕切りがない場合、1箇所にダウンが溜まり全体の保温性が低下します。
ちなみに女性用ではキルティングパターンが異なります。
女性用ですと、菱型のようなキルティングパターンとなります。mont-bellのロゴも下の方になります。また、シルエットも異なります。
男性で身長が低い方が女性用を選ぶことが稀にあります。モンベルの場合、男女でシルエットが異なるため男性が女性用、または、その逆をするのもオススメしません。
ラウンドネックジャケットのダウン品質と割合
こちらのラウンドネックジャケットは800FPとなります。その内訳はダウンボールが90%、フェザーが10%です。モンベルのダウンジャケットはこの内訳が多いです。
ちなみにタグに書いてある、#1101503はモンベルの品番になります。お電話で商品の問い合わせをする場合はこちらの番号を言うとスムーズに対応してくれます。
ラウンドネックジャケットの良さ
中間着として素晴らしい性能を持っています。そして、着回しもしやすいです。
私は春と秋ではアウターとして使います。ロンTやシャツの上から羽織るだけで暖かいです。
日中は暑い時もありますので、その際はカバンに入れておきます。コンパクトになるのでカバンの中でもそれほど場所はとりません。500mmペットボトルくらいの大きさです。
冬にはシェルジャケットやコートの下にきます。シャルジャケットは防水・防風ではありますが、保温性はほぼありません。
外温が低ければ、寒いです。そこで、保温のあるインナーダウンを着るとすごく暖かくなります。
防風のジャケットですと暖かい空気を逃がさず、冷たい空気を入れないため、保温性能が抜群に良くなります。魔法瓶のようです。
真冬にコートだけですと実際寒いです。インナーダウンを着るだけで劇的に暖かくなりますので、お試しください。
体感の暖かさ
完全に個人の主観になりますが、体感の暖かさを書きます。
秋頃の肌寒い気温では、インナーダウンをアウター代わりにして着るだけで十分な暖かさがあります。ですが風が強いと暖かい空気が逃げてしまい、寒くなります。
風が比較的穏やかだけど肌寒い日には防寒着のアウターとして十分な性能があります。
真冬の場合、防風性のあるジャケットの下に着るだけで十分な暖かさを確保できます。冬に雪の降るような場所に住んでいた時は、ゴアテックスのマウンテンパーカー(防寒性なし)の下にインターダウンを着ていました。
個人差はあると思いますが、これで日常生活に十分な暖かさがあります。日常生活とは、通勤・通学などで外を数十分〜数時間程度歩く感じです。長時間、しかも動かずにいるだけだと流石に寒いと思います。
インナーダウンは薄っぺらくてほんとに暖かいの?と思われるかもしれませんが、一度着てしまうと、その暖かさに惚れ込んでしまいます。使い勝手もいいので重宝します。
また夏場でもクーラーが効きすぎて寒い場所なんかでも使えます。私も夏場は室内で使うこともあります。コンパクトになるので、引き出しの中にしまっていたりします。ダウンにとってはあまりよくないのですが…
モンベル インナーダウンのサイズ選び
サイズ選びは用途によって異なります。
アウトドア用途で使う場合、ダウンというのはジャストサイズを選んだ方がいいです。
ダウンは体を温め、保温する用途で着るものです。体とダウンの間に隙間があると暖かい空気を留めておくことができません。そのため、インナーダウンをアウトドアの防寒着として着るのであればジャストサイズがおすすめです。
ファッション用途で着る場合は、好みのサイズを選ぶといいでしょう。
例えば、基本的にコートなどの下に着る場合は、ジャストサイズでOKです。アウトドア用途と同じサイズです。ですが、インナーダウンをアウターの代わりに着る場合はワンサイズあげてもいいと思います。
アウターにする場合は中に着込むことになると思いますので、ワンサイズあげてゆとりがあった方がいいです。しかし、アウターにする場合、思いの外暖かくない場合もあります。
特に外で着る場合は、防風性がないので暖かい空気を溜め込むことができません。寒くなった冬ではやはりインナーとして使う方がいいです。
室内の場合は、風がないので暖かい空気を溜め込むことができ暖かくなります。Tシャツの上に羽織っているだけでも結構十分な暖かさがあります。
おわりに
モンベルのインナーダウンはいかがだったでしょうか?
1枚持っておくだけで、着回しできますのでとてもオススメです。モンベル以外でも、様々ブランドから販売されています。キルティングパターンが異なっていたり、ダウンの品質や特徴が違ったりします。お気に入りのデザインがあればそちらでもいいと思います。
ですが、今回紹介したように、ダウンであるか中綿であるか。そして、ダウンの品質と内訳はどうなっているかなど確認してから購入することをオススメします。
インナーダウンはここで買える
モンベルの店舗・オンラインショップで買う
モンベルは全国各地に店舗があります。お近くのモンベルストアでご購入ください。また、モンベルストアが近くにない場合、オンラインショップがありますのでそちらでお買い求めください。
その他で買う
基本的にモンベルの商品はモンベルストアでの販売です。自社のブランドを自社の店舗で販売することで卸による価格上昇を抑え、高品質でありながら、他ブランドより価格を抑えているというのが背景にあるようです。
ということで、他のアウトドアショップでモンベルの商品は少ないです。
しかし、インナーダウンに関してはファッションアイテムとして認知され、セレクトショップに陳列されていることもあります。有名なお店で言うとZABOUです。こちらは大阪と東京に店舗のあるセレクトショップです。お店の詳しい情報は下記のリンクよりご覧ください。また、Instagramでは着こなし方も見れますので併せてご覧ください。
では、今回はこの辺で
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