Paraboot:パラブーツ
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1. 基本情報

  • ブランド名 :Paraboot パラブーツ
  • 国     :フランス
  • 生産国   :フランス
  • 創業年   :1908年
  • 創業者   :Rémy-Alexis Richard

2. ブランドヒストリー

創業から現在まで

1908年創業。フランス東部の町イゾーで小さな靴工房から始まった。

1926年。Remyはアメリカへ行き、アメリカ人が履いていたラバーブーツに目を付けた。そして、ラテックスやゴムと呼ばれる新素材を見出した。

1927年。パラブーツの名前を商標登録した。「Paraboot」は、ラテックスを輸入するアマゾンの港「Para」とアメリカで発見したラバーブーツの「boot」を合わせた名である。

1937年。Remyの息子であるJulienが会社に入る。

1946年。Julienはパラブーツの代名詞であるノルヴェージャン製法とグッドイヤー製法で靴を製造することを決める。この製法で作られた靴は丈夫でありながら、履き心地が良く、立ち続ける職業の人たちに適していた。

1970年代。時代の変化と第一次オイルショックにより経営難に陥る。

1973年。Julienの息子であるMichelを会社へ呼び寄せる。

1979年。Julienは息子のMichelに経営の全てを任せる。Michelは、「利益がでる」市場のみへの生産に絞り込む。しかし、1980年代はじめ、45%を輸出に頼っていた靴工場はドルと円の暴落を受け、多くの顧客を失った。

1983年。Michelは破産の申し立てをした。組合と商事裁判所はこの会社の未来に信頼を置き、経営続行を承認した。また、商事裁判所と交渉中にMichelはイタリアで画期的な材料を探しと、利益を上げているイタリアの靴製造社の経営方法を理解しようとしていた。その中で、イタリアの流行服を手がける販売業者と出会い、交渉までこぎ着けた。イタリアのスタイリストたちは、男は外見を変えるべきだと断言し、変化を求めていた。そこで、見つけたのが今やパラブーツの定番モデルの一つMichaelであった。Michaelの流行は瞬く間に浸透し、注文が殺到、製造プランは安定した。Michaelがパラブーツ消滅の危機を救ったのである。

2000年。生産にMarc-Antoineが加わり、パラブーツは4代目に引き継がれた。

現在。世界4ヵ国にブティックを開店して、販売されている。

※上記内容はポイントを押さえて記述しております。詳細はパラブーツHPよりご覧頂けます。

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3. 定番靴

Chambord:シャンボード

素材:リスレザー

特徴:モカタイプのUチップ。ノルヴェージャン製法とオイルの含まれるリスレザーにより、堅牢で雨に強い靴である。雨でも履ける高級靴として日本で人気がある。また、白いステッチや緑のタグ、ぽてっとしたフォルムはカジュアル靴で履ける一足である。

Michael:ミカエル

素材:リスレザー

特徴:Michaelはパラブーツの危機を救った靴である。パラブーツのモデルの中ではロングセラーで、Remyの孫に当たるMichelから由来するモデル名。通称チロリアンシューズと呼ばれ、登山靴をルーツに持つ。モカシン縫いの2ホールと特徴的なデザイン。さらにノルヴェージャン製法とリスレザーで悪天候でも履ける。アウトドアスタイルやカジュアルスタイルにはもちろんのこと、スーツスタイルの外しにも映える一足。

William:ウィリアム

素材:リスレザー

特徴:元来はパラブーツがOEM生産を手掛けていたブランドのカジュアルラインで存在していた。生産終了後、パラブーツ青山店がファンからの熱い要望に応える形で2001年に復活させた。ダブルモンクで紐型とはまた違った印象。シャンボードとラストが違うため、見た目の形だけでなく履き心地も変わる。シャンボードより甲が低く幅が広くなるため、ウィリアムの方が足にフィットする人の方が多いのではないだろうか。こちらも、ノルヴェージャン製法とリスレザーのため雨に強い。

※素材に関してはリスレザーが定番だが、ヌバックやコードバン、コンビなどもある。

4. 製法・素材・ソール

パラブーツは雨に強い。よく聞く話であるがどうしただろうか。ここでは、製法・素材・ソールから雨に強い理由を探って行く。

ノルヴェージャン製法

ノルウェージャン製法ノルヴェイジャン製法

原理 : アッパーは、アウトソールに縫い付けられます。それを仲介するのが、インソール、ウェルト、そして目に見える2線の縫い目。まずウェルトとアッパーをつなぐ縫い目、そしてアウトソール上の小さな点状の縫い目です。ウェルトを入れないことも可能で、その場合、アッパー下部の皮革を直接縫います。それがウェルトの代わりをします。

※パラブーツHPより

登山靴やスキー靴などで用いられる製法で防水性に優れている。

Lisse Leather:リスレザー

パラブーツは素材にもこだわったブランドである。

なめし作業で丹念に選ばれる皮の質によって、Paraboot靴の履き心地、持ち、美しさが決まります。
私たちは代々同じ皮なめし業者と仕事をしてきました。互いの信頼の上に、これら中小企業と恵まれた関係を築いてきたのです。それはフランス有数の皮なめし業者で、その他の有名ブランド靴メーカーや皮革製品メーカーにも素材を提供しています。
素材の77%がフランス産。つまりフランスで生産されたもの、あるいは加工されたものです。他はヨーロッパ産のなめし革が使われています。使用される全素材に関して、現行の欧州規制を遵守しています。

※パラブーツHPより

フランスブランドであるパラブーツは、フランス産にこだわり革を選定していることがわかる。

その中で、パラブーツといえばリスレザーである。リスレザーはオイルを染み込ませたレザーである。そのため、油が水を弾くように、リスレザーに耐水性が生まれているのである。

また、リスレザーは長時間放置しているとブルームと呼ばれる白い粉のようなものが表面に現れる。オイルやロウを染み込ませた革に起こる特徴である。これは、ブラッシンをすることで消えていき、革表面に艶が出てくる。

オイルがたっぷり含まれているリスレザーを用いることで、撥水性、耐水性のある靴に仕上がっている。

ラバーソール

ブランド名の由来にもなっているラバーソール。自社でラバソールを製造し、自社の製品のみに使用している。合成ではなく天然ゴムを使用し、柔軟性、強度を特別に調整している。モデルにより、ソール形状が異なる。

テックスソール

シャンボードに採用されているソール。Richard PontvertのRPが刻印さている。通常、革靴のアウトソールとミッドソールの間にコルが充填され、シャンクを入れて返りをよくしている。しかし、このソールにはコルクの代わりにゴムのフィン、シャンクを内蔵し履き心地の良さを得ている。

マルシェソール

ミカエルやウィリアムに採用されているソール。中央に突起があり、そこから放射状に広がっている形状。力が均等にかかる設計となっている。ソール厚は1cmとなっているが、ノルヴェージャン製法により重厚なイメージとなる。

グリフソール

アヴィニョンに採用されているソール。厚みを抑えたソールでスマートな印象を与える。ギザギザのパターンになっており、グリップ力が増す構造となる。雨の日でも滑りにくいソールとなる。

5. コメント

パラブーツの魅力

雨でも履けることが魅力の一つである。

どうしても雨が降ると、レザーソールでは滑りやすい。そんな時にはラバーソールが良い。

革が雨に濡れると染みになることがある。また、雨水が靴内部に侵入するかもしれない。それに対して、オイルが多く含まれるリスレザーは、靴内部への雨の侵入を防ぎ、雨ジミにもなりにくい。

雨が降ってもお気に入りの靴を履きたい。そんな方には、パラブーツは魅力的である。

デザイン

ポテッとしたフォルムに少し厚めのラバーソール、そして緑色のタグ。これらを見ればパラブーツであることがわかる。オリジナリティあるデザインは他の靴との差別化になり、これを履きたいと思わせている。

カジュアルな服装にも合わせやすい。デニムとの相性は抜群で、リゾルトのデザイナーである林氏はリゾルトとシャンボードを合わせるスタイルを提案している。革靴はスーツに合わせるものだと思っていた私にとっては革靴が欲しくなったきっかけでもある。

参考文献

1)Paraboot,  "ブランドについて", Paraboot, https://www.paraboot.com/ja (2019/10/21)

2) 別冊2nd, ”革靴読本”, 2016, エイ出版社.

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